LTEは4Gで使用される通信方式
そもそも、LTEとは(Long-Term-Evolution)の頭文字をとった物で、4G通信で使用される通信方式です。
日本のスマホで使用する4G通信は、どこの通信キャリアでもLTEを使用しています。
一方、4G通信で使用されるWiMAXは、正式には「WiMAX2+」と言い、モバイルデータ通信に特化した通信方式で、UQコミュニケーションズが採用している通信方式です。
LTEとWi-Fiの違いは?
LTEは、モバイルWi-Fiやスマホなどの通信端末と基地局間を結ぶ電波の通信方式です。
通信端末から見た上位側ネットワークで使用される方式で、通信会社がサービスを提供するために使用します。(上記図WAN側区間)
一方で、Wi-Fiは、Wi-Fiルーターなどの通信端末と、スマホやPCなど通信機器同士を無線接続するために使用する通信方式です。(上記図LAN側区間)
LTEの速度は遅い?
LTEは、700〜900MHz周波数のプラチナバンドや、1.5〜3.5GHzの周波数が使用されています。
プラチナバンドは電波の性質上、WiMAXなどの高い周波数と比べると帯域幅(データの通り道)が多く取れないため、単体で比較した場合、理論上は低速となります。
通信速度(下り最大) 端末やエリアにより異なる | |
LTE (au 4Gプラチナバンド) | 150Mbps |
WiMAX2+ | 440Mbps |
4G LTEの周波数だと、3.5G LTEが最も高周波数で帯域幅も多く取れますが、通信会社各社ではまだ補助的な扱いで使用しています。
またCA(キャリア・アグリゲーション)など、複数の電波を束ねて利用する場合もあるので、その場合には以下のようにLTEの方が高速となる場合もあります。
CA実行時の通信速度(下り最大) 端末やエリアにより異なる | |
LTE (docomo Premium 4G) | 1.5Gbps |
WiMAX2+ | 1.2Gbps |
速度は基地局の混雑状況にも左右される
ベストエフォート型とは、最大限努力しますが「通信速度」の保証はしませんというサービスの提供方式です。
基地局と最寄りデータセンターを結ぶバックホール回線(光ファイバー)の伝送容量が決まっているため、トラフィックの処理能力に上限があるためです。
基本的にはキャリアが発表している最大通信速度を、基地局周辺のユーザーで分け合う事になりますので、回線の混雑状況によって通信速度が変化します。
【測定してみた】時間帯でモバイルWiFiの通信品質は変わるのか?
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そもそもLTEとWiMAXはどう違う?
WiMAXはLTEと互換性を持った通信方式です。
LTE(Long-Term-Evolution)は、主にFDDとTDという2つの方式に分類されます。
でも、同じLTEで何が違うんですか?
FDD-LTEとTD-LTEの違い
TD-LTEとFDD-LTEの違い | ||
方式 | データの通り道 | 主な用途 |
FDD-LTE | 上り下りの2系統 | スマホでの通信全般 |
TD-LTE | 上り下り共用 | WiMAX2+・AXGP(TD-LTE互換) スマホの3.5GHz |
FDD-LTE
FDD方式(Frequency-Division-Duplexing)は、「周波数分割複信」といい、周波数(データの通り道)を上り下り2系統に分割して、双方向での同時通信をする方式です。
日本のスマホキャリア(au・docomo・SoftBank)や、海外でも多く利用されています。
TD-LTE
TD方式(Time-Division-Duplexing)は、「時分割複信」といい、データの通り道が上り下り共用で、一定時間で送信と受信を分割して切り替えながら通信する方式です。
WiMAXやY!mobileで使用されているAXGP(TD-LTE互換)、スマホで高速通信を担う3.5GHz帯で使用されています。
WiMAXはUQコミュニケーションズなどがサービスを提供
WiMAXはUQコミュニケーションズが、北海道〜沖縄まで日本全国に基地局を作りサービスを提供しています。
UQ以外にも、多くのプロバイダでWiMAXサービスが展開されていますが、実際にはUQコミュニケーションズが作った通信インフラを借用してサービス提供を行っています。
WiMAXでは、UQコミュニケーションズが独自で構築したエリアの他に、資本関係にあるKDDI(au)の4G LTEと5G回線を使用する事ができます。
モバイルWiFiで使うならLTEとWiMAXどっちが有利?
速度と繋がりやすさは対極にある事が多く、どちらを重視するかによって選び方も異なります。
単体の周波数で比較した場合には、WiMAXの方が理論値での通信速度は速い傾向にありますが、スマホを展開する通信事業者(au・SoftBank・docomo)の方が、700〜900MHz周波数のプラチナバンドや、1.5〜3.5GHzの他にも、使用できる周波数を多く保持しているため通信品質を向上させる選択肢が多いです。
ですので、考え方によってはLTE(FDD方式)を使用する通信事業者(au・docomo・SoftBank)の方が通信品質の面では有利と言えますが、利用料金は高い傾向にあります。
通信速度はどちらが速い?
通信方式 | 周波数 |
WiMAX | 2.5〜2.6GHz(高) |
LTE (プラチナバンド) | 700〜900MHz(低) |
WiMAXで使用している高周波数(2.5GHz帯)とLTEプラチナバンド(700〜900MHz)を単体で比較した場合、高周波数のWiMAXの方が、データの通り道(帯域幅)を広く取れるため通信速度の面では有利です。
ただし、冒頭でも少し触れましたが、LTEもCA(キャリアアグリゲーション)などで複数の周波数の電波を束ねて使用するケースがあるため、WiMAXを上回る通信速度となる場合もあります。
繋がりやすさはどちらが有利?
モバイルWi-Fiの繋がりやすを比較するうえでは、周波数とエリアが重要な指標です。
WiMAXなどが使用している高周波数(2.5GHz帯)は電波の直進性が高く、障害物に弱いという特徴があります。
一方、プラチナバンドなどの低周波数(700~900MHz)は、障害物を回り込む性質があるため繋がり易さでは強いです。
ただし、WiMAXでも通信モードによっては、auのプラチナバンド800MHzのエリアを使用できたり、資本関係にあるキャリア同士で相互補完し合い、繋がり易さを強化している事例もあります。
エリアに関しては、各キャリアのホームページでサービス提供エリアマップを公開していますので、申し込み前には、ご自身の行動エリアがサービス提供エリアであるかを必ず確認するようにしましょう。
LTEに向いている人はこんな人
速度よりも繋がりやすさを重視したい場合には、LTEの通信方式を使用したモバイルWiFiをおすすめします。
LTEに向いている人
- 田舎に住んでいる人
- 地下鉄を多く利用する人
- ビルの陰や入り組んだ室内で使う事が多い
ちなみにWiMAXルーターでは、プラスエリアモードでauのプラチナバンドを使用しますが、このモードは月15GBの制限があります。
上記に挙げた場所をメインで使う場合には、最初からLTEの周波数が使用できるプロバイダを選ぶ方が良いと思います。
WiMAXに向いている人はこんな人
そのため、繋がりやすさよりも速度を重視したい場合には、WiMAXをおすすめします。
基本的には、無制限で高速な「スタンダードモード」を使用し、ちょっと繋がりにくいな?と思う場面でauのプラチナバンドの周波数を使用する「ラスエリアモード」を使用すると良いでしょう。
WiMAXに向いている人
- とにかく高速な通信速度で利用したい
- 安い料金で使用したい
- 固定回線の代わりとして利用したい
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まとめ
まとめ
- LTEは4Gで使われている通信方式
- LTEプラチナバンドは電波の性質上、WiMAXなどの高周波数と比べると理論上は低速
- LTEには異なる通信方式が有り、WiMAXはTD-LTEと互換性を持った通信方式
- 繋がりやすさでは障害物に強いLTE(プラチナバンド)が有利
- 繋がりやすさよりも速度を重視したい場合には、WiMAXが有利