モバイル回線の知識

検証!鉄筋コンクリートの建物内にモバイルWiFiの電波は届きにくい?

検証!鉄筋コンクリートの建物内にモバイルWiFiの電波は届きにくい?

茂畑さん
茂畑さん
鉄筋コンクリートの建物内ではスマホやWiFiの電波が弱くなるって聞いた事があるんですけど本当ですか?
トミー
トミー
マンションなどに住む方は気になる問題ですよね。

問い合わせを受ける事が多い質問なので、分かりやすく解説します!

屋外と鉄筋コンクリートの建物内での速度の違いも検証もしてみました。

トミー

この記事の著者:トミー(ネットワーク・移動体通信エンジニア)

通信業界20年目、現役の移動体通信技術者です。
これまでに3Gの周波数再編や4G LTEの立ち上げ、災害で使用できなくなったネットワークの復旧対応、東京オリンピック・パラリンピック競技会場のネットワーク構築計画推進、BWAのエリア構築などを行い、北海道から沖縄まで日本全国のモバイル通信を陰で支えてきました。現在は5Gのエリア構築に深く携わっています。 » 著者プロフィール詳細

鉄筋コンクリートの建物内にモバイルWiFiの電波は届きにくい?

鉄筋コンクリートの建物内にモバイルWiFiの電波は届きにくい?

鉄筋コンクリートの建物内にモバイルWiFiの電波が届きにくいのは事実です。

ただし、条件によるので電波が届きにくくなる原因などを解説します。

モバイルWiFiだけではなく、スマホ・携帯も理屈は同じなのでぜひ参考にしてみてください。

電波が届きにくいのはどうして?

鉄筋コンクリートの壁は電波を通しにくい

鉄筋コンクリートの壁は電波を通しにくい

もともと電波は、障害物による遮蔽(しゃへい)の影響を受けます。

特に、コンクリート・鉄、どちらも電波を通過しにくい性質を持っているため、その2つでできた鉄筋コンクリートの壁は電波を通過しにくくします。

そのため屋外での利用と比べると、どうしても電波は弱くなってしまいます。

トミー
トミー
電波は樹木などの障害物や、天候(霧や雨)の影響も受けますが、特にコンクリートと鉄に弱いです。
茂畑さん
茂畑さん
鉄筋コンクリートは電波の苦手な物の組み合わせなんですね!

電波の強さや建物の構造による

建物の構造や電波の強さにも左右される

建物の構造や電波の強さにも左右される

もともと電波が弱い場所で、さらに電波を通しにくい鉄筋コンクリートの建物内に入ればさらに弱くなります。

また、建物の構造や部屋の間取りなどの影響も大きく、屋内の入り組んだ場所にも電波は届きにくくなります。

鉄筋コンクリートの建物内でも、人が多く集まる公的施設や商業施設などでは、通信事業者側が屋内型アンテナなどを設置しているので快適に利用できるようになっています。

茂畑さん
茂畑さん
もともとの電波が弱ければ、鉄筋コンクリートの建物内ではさらに弱くなってしまうという事ですね。
トミー
トミー
さらに建物の構造にもよるので、なるべく窓側で使用するなどしてみると良いですね。

参考モバイルWi-Fiの接続が悪い!原因特定方法と試してみたい改善策

WiMAXで屋外と鉄筋コンクリート建物内の違いを検証

WiMAXで屋外と鉄筋コンクリート建物内の違いを検証

鉄筋コンクリートマンションの建物内と屋外とでは、どれくらい違いがあるのかを比較してみました。

測定メモ

  • 測定回線Broad WiMAX
  • 測定場所:東京都 板橋区 鉄筋コンクリートマンション
  • ルーター:Speed Wi-Fi NEXT W06
  • 通信モード:ハイスピードモード 4×4MIMO
  • 測定日時:2019/9/24(月)20:10〜20:27
  • 天候:晴れ
  • 測定アプリ:SPEEDTEST(iPhone7)

屋外での測定結果

屋外での測定結果
測定場所下り
(Mbps)
上り
(Mbps)
Ping
(ms)
マンション 5F 共用部
(西側)
87.39.2980
マンション5F 玄関前
(西側)
77.69.9559

SPEEDTEST画面キャプチャ(屋外)

茂畑さん
茂畑さん
なかなか速いですね。
トミー
トミー
そうですね。

夜20時台でこの下り速度は凄い速いですね。

鉄筋コンクリートの建物内

鉄筋コンクリート建物内
測定場所下り
(Mbps)
上り
(Mbps)
Ping
(ms)
玄関(西側)39.811.151
キッチン(西側)47.98.4249
バスルーム45.73.7070
リビング(西側)44.56.8554
ベランダ(東側)22.96.9655
窓際(東側)30.22.7157

SPEEDTEST画面キャプチャ(鉄筋コンクリート内)

屋外で使用した場合と比べて速度が出ていないのが如実に現れています。

鉄筋コンクリートの建物内で快適に使用するには、なるべく電波を受信しやすい窓側で使用すると良いです。

トミー
トミー
今回測定したマンションでは東側で速度が上がっている傾向がありましたので、東側に基地局のアンテナがあると推測されます。

鉄筋コンクリートに強いモバイルWiFiは?

鉄筋コンクリートに強いモバイルWiFiは?

トミー
トミー
鉄筋コンクリートに強いモバイルWi-Fiを選ぶポイントは、電波の周波数です。

特に、障害物を回り込む事ができる周波数を選ぶ事が重要です。

電波は周波数によって特性があり、進み方が異なります。

鉄筋コンクリートは電波を通しにくいので、窓などから電波を取り入れる事になりますが、障害物を迂回できるか否かが繋がりやすさを左右します。

参考記事
【プロが解説】屋内でモバイルWiFiを快適に使うコツを5つご紹介

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障害物に強い周波数はプラチナバンド

障害物に強い周波数はプラチナバンド

WiMAXがメインで使用する2.5GHz帯の高周波数は、電波の直進性が高く反射してしまいます。

そのため鉄筋コンクリートの建物では、壁などの障害物を回り込んで進むプラチナバンドの方が繋がりやすさは上がります。

ただし、高周波数と比べるとプラチナバンドは速度が上がらないというデメリットも存在します。

鉄筋コンクリートの建物内に限った話ではなく、建物や山の陰、入り組んだ場所などで使用する場合には低周波数の方が強いです。

現在はCA(キャリア・アグリゲーション)など複数の周波数を同時に利用する事が多いですが、単体の電波で考えると以下の違いがあります。

周波数による違い
周波数高周波数
(2.5〜28GHzなど)
低周波数
(700〜900MHz)
プラチナバンド
通信速度◎有利×不利
繋がりやすさ×不利◎有利

WiMAXでは2つの通信モードを使用する事ができますが、auのプラチナバンドを使う「プラスエリアモード」を使えば、繋がりやすさは更に向上します。

まとめ

まとめ

トミー
トミー
最後にこの記事のポイントをまとめてみましょう。
  • 電波は全般的に障害物による遮蔽(しゃへい)の影響を受ける
  • その中でも鉄筋コンクリートの壁は電波を通過しにくくする
  • 鉄筋コンクリートの建物内でも、電波の強さや建物の構造によって繋がりやすさは異なる
  • 鉄筋コンクリートの建物内で使用するには、プラチナバンド(700〜900MHz)が繋がりやすい
  • WiMAXではauプラチナバンドの電波を使用する「プラスエリアモード」を使用する方が繋がりやすい

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  • この記事を書いた人

トミー

通信業界20年目。現役バリバリの移動体通信エンジニア・Webライターです。 モバイル通信や光回線、IPネットワークの他に、海外の通信事情などにも詳しいです。 当サイトの記事を全て執筆、作図や動画編集も担当しています。 このサイトでは、最高のインターネット環境に出会うための、お手伝いをしたいと思っています。
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