ホームルーターでオンラインゲームをプレイされる方や、少しでも通信品質を良くしたいという方には、Wi-Fi接続よりも有線接続で利用する方が快適に利用できます。
この記事では、その理由と有線接続して使う場合の注意点と確認ポイントなどについて詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
ホームルーター(置くだけWi-Fi)はLANポートがあれば有線接続可能
ホームルーター(置くだけWi-Fi)は、ほとんどの機種で有線LAN接続するためのLANポートを完備しています。
機種によって対応しているイーサネットの規格が異なり、有線LAN区間の最大通信速度が異なります。
LANケーブルは、ホームルーター本体を購入すると付属してくる事が多いですが、基本的には添付品を使用していれば問題ないです。
各社ホームルーター最新モデルのLANポート対応状況
現行のホームルーターで有線接続を使用するなら、WiMAXのSpeed Wi-Fi HOME 5G L13か、ドコモのhome 5G HR02が、現時点で最も高速な2.5GBASE-T(最大2.5Gbps)に対応しています。
これらの機種を使用して、CAT5e以上のLANケーブルを使用して接続する方法が最適解となります。
機種名 | Speed Wi-Fi HOME 5G L13 |
home 5G HR02 | Airターミナル5 | Rakuten Turbo 5G |
最大通信速度 | 下り:4.2Gbps 上り:286Mbps |
下り:4.2Gbps 上り:218Mbps |
下り:2.1Gbps 上り:未発表 |
下り:2.1Gbps 上り:218Mbps |
接続機器台数 | 32台 | 66台 | 128台 | 128台 |
対応Wi-Fi規格 | Wi-Fi 6対応 IEEE802. 11a/b/g/n/ac/ax |
Wi-Fi 6対応 IEEE802. 11a/b/g/n/ac/ax |
Wi-Fi 6対応 IEEE802. 11a/b/g/n/ac/ax |
Wi-Fi 6対応 IEEE802. 11a/b/g/n/ac/ax |
有線LANポート | 2ポート 2.5GBASE-T 1000BASE-T 100BASE-TX ×1ポート 1000BASE-T 100BASE-TX ×1ポート |
2ポート 2.5GBASE-T 1000BASE-T 100BASE-TX |
2ポート 1000BASE-T 100BASE-TX 10BASE-T |
2ポート 1000BASE-T 100BASE-TX 10BASE-T |
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【確認ポイント】有線LAN(イーサネット)の規格とLANケーブルの種類
ホームルーターで有線接続をする際には、ホームルーター本体の対応しているイーサネット規格と、使用するLANケーブルの種類を確認するようにしてください。
確認ポイント
- ホームルーター側の対応イーサネット規格
- LANケーブルのカテゴリ種別
- ホームルーターの利用にはUTPケーブルを推奨
ホームルーター側の対応イーサネット規格を確認する
まずは、ホームルーター本体の対応イーサネット規格について確認するようにしてください。
規格によって最大通信速度が異なります。
イーサネット規格(LANポート) | |
イーサネット規格 | 最大通信速度 |
10GBASE-T |
10Gbps |
5GBASE-T | 5Gbps |
2.5GBASE-T | 2.5Gbps |
1000BASE-TX | 1Gbps |
1000BASE-T | 1Gbps |
100BASE-TX | 100Mbps |
100BASE-T | 100Mbps |
規格名の末尾に付いているTXとTの違いは、LANケーブルのコネクタ内(RJ45と言います)の端子アサインが異なっています。
一般的に「TX」よりも「T」の方が対応機種の流通量は多いです。
TXは、8本ある端子アサインのうち、送信用(4本)と受信用(4本)の端子アサインが分離しているのに対して、Tは送受信の区別がなく8本全て送受信に使用します。
LANケーブルのカテゴリ種別を確認する
次に使用するLANケーブルのカテゴリ種別を確認します。
LANケーブルのカテゴリ |
||
カテゴリ | 最大通信速度 伝送帯域 |
適合イーサネット規格 |
CAT8 | 最大通信速度:40Gbps 伝送帯域:2000MHz |
100BASE-TX 1000BASE-T 1000BASE-TX 10GBASE-T 40GBASE-T |
CAT7A | 最大通信速度:10Gbps 伝送帯域:1000MHz |
10BASE-T 100BASE-TX 1000BASE-T 1000BASE-TX 10GBASE-T |
CAT7 | 最大通信速度:10Gbps 伝送帯域:600MHz |
10BASE-T 100BASE-TX 1000BASE-T 1000BASE-TX 10GBASE-T |
CAT6e | 最大通信速度:10Gbps 伝送帯域:500MHz |
10BASE-T 100BASE-TX 1000BASE-T 1000BASE-TX 10GBASE-T |
CAT6A | 最大通信速度:10Gbps 伝送帯域:500MHz |
10BASE-T 100BASE-TX 1000BASE-T 1000BASE-TX 10GBASE-T |
CAT6 | 最大通信速度:1Gbps 伝送帯域:250MHz |
10BASE-T 100BASE-TX 1000BASE-T 1000BASE-TX |
CAT5e | 最大通信速度:1Gbps 伝送帯域:100MHz |
10BASE-T 100BASE-TX 1000BASE-T |
CAT5 | 最大通信速度:100Mbps 伝送帯域:100MHz |
10BASAE-T 100BASE-TX |
CAT5e以上は、接続ポート側が2.5G/5GBASE-T(IEEE 802.3bz)に対応している場合、最大2Gbpsもしくは5Gbpsで使用可能です。
注意点:ホームルーターの利用にはUTPケーブルを推奨
LANケーブルには、前述したカテゴリ種別の他にUTP(Unshielded Twisted Pair)とSTP(Shielded Twisted Pair)という種類があります。
ケーブルの名前にもある通り、これら二つのケーブルの大きな違いは「シールド」の有無です。
ホームルーターでの利用にはシールド処理されていないUTPケーブルの利用を推奨します。
まず、UTPケーブルはシールド(つまり保護被覆)がないため、扱いやすくコストも抑えられ、小規模なオフィスや一般家庭での利用に適しています。
UTPケーブルは、シールドされていないため電磁干渉に対する耐性が低いという欠点がありますが、シールド処理されたSTPケーブルを利用する場合には、アース処理を正しくしないと、かえってノイズの影響を受ける事があります。
有線接続時と無線接続時(Wi-Fi)の通信品質を比較してみた
赤枠で囲った部分がLANケーブルを使用して有線接続した際の測定結果、それ以外が無線(Wi-Fi)接続時の測定結果です。
PING値平均
- 無線接続時:31.4ms
- 有線接続時:29.4ms
Wi-Fi(無線)接続よりも有線接続の方が通信は安定する
一般的に有線接続がWi-FiよりもPING値(遅延)が低い理由は、いくつかの理由があります。
まず、有線接続はホームルーターとパソコンなどの間を、物理的なケーブルを使用してデータを送受信するため、通信路が固定されています。
そのため、Wi-Fi接続に比べてノイズの影響が少ないです。
これに対して、Wi-Fiは電波を使用するため、距離や物理的な障害物の影響、他の無線デバイスとの電波干渉等によって信号強度が変化します。
これがPING値の変動につながります。
また、Wi-Fi接続では、電波干渉や電波状況の悪化により、パケットロス(データの一部が途中で失われる現象)が発生しやすいです。
パケットロス(ドロップ)が発生すると、そのパケットは再送制御により再送されるため、遅延が発生しPING値が増加します。
これに対し、有線接続ではWi-Fi接続と比べる、とパケットロスの発生が少ないため、再送による遅延は少ないです。
国内4キャリアから発売されている代表的なホームルーター
4キャリアのホームルーター
- WiMAX+5G(KDDIグループ)
- docomo home 5G(NTTドコモ)
- SoftBank Air(ソフトバンクモバイル)
- Rakuten Turbo 5G(楽天モバイル)
WiMAX+5G(KDDIグループ)
おすすめポイント
料金:
速度:
エリア:
周辺サービス:
端末のスペック:
Broad WiMAXは、20社以上のWiMAXプロバイダーの中でも、特に豊富な周辺サービスを提供するプロバイダーです。
プランは、料金が手頃な2年縛りプラン、または縛りなしプランのどちらかを選べます。
さらに、auのスマホかUQモバイルのユーザーであれば、スマホの料金が割引になるセット割引が適用可能です。
\ホームルーターおすすめNo.1!/
月額料金 | 1,397円〜4,950円(税込) |
セット割引 | auスマホ:最大1,100円/月 割引 UQモバイル:最大1,100円/月 割引 |
速度制限 | 一定期間内に大量のデータ通信をした場合は、ネットワーク混雑時間帯に速度制限がかかる場合有り |
端末購入 | 一括または分割購入 |
契約期間 | 縛りなし・2年 |
運営会社 | 株式会社リンクライフ |
Speed Wi-Fi HOME 5G L13 | |
端末外観 | |
製造元 | ZTE Corporation |
対応通信規格(WAN) | WiMAX2+/4G/5G |
最大通信速度 | 下り最大:4.2Gbps 上り最大:286Mbps |
最大同時接続台数 | 有線LAN:2台 無線LAN:32台 |
対応Wi-Fi通信規格 | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (2.4GHz/5GHz) |
docomo home 5G(NTTドコモ)
おすすめポイント
料金:
速度:
エリア:
周辺サービス:
端末のスペック:
docomo home 5Gは、NTTドコモのモバイルネットワークを使用した契約期間縛りなしのホームルーターです。
ドコモは基地局の数が全国で最多であり、MVNOに対して頻繁にネットワークを提供していないため、通信は混雑に影響されにくく、安定した高速通信を実現します。
申し込みに際しては、GMOとくとくBB等の販売代理店を利用することで高額なキャッシュバックを得ることができるため、おすすめです。
\最大4.2Gbpsの高速5G対応!/
月額料金 | 4,950円(税込) |
セット割引 | ドコモユーザー:1,100円/月 割引 (離れて暮らす家族分も最大20台まで対応) |
速度制限 | 直近3日のデータ消費量が多いユーザーは、他のユーザーと比較して低速となる場合有り |
端末購入 | 一括または分割購入 |
契約期間 | 縛りなし |
運営会社 | 株式会社NTTドコモ |
ドコモ home 5Gで取扱中の端末 | |
home 5G HR02 | |
端末外観 | |
製造元 | SHARP |
対応通信規格(WAN) | 5G・4G |
最大通信速度 | 下り:4.2Gbps 上り:218Mbps |
最大同時接続台数 | 有線LAN:2台 無線LAN:64台 |
対応Wi-Fi通信規格 | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (2.4GHz/5GHz) |
SoftBank Air(ソフトバンク)
おすすめポイント
料金:
速度:
エリア:
周辺サービス:
端末のスペック:
ソフトバンクAirは、ホームルーターの競合ブランドの中でも古くからサービス提供している事で知られています。
最新モデルのエアターミナル5は、ソフトバンクの5Gネットワークに対応し、前機種のエアターミナル4と比較すると通信速度が大幅に向上しています。
また、他社ブランドと比べて同時に接続できるデバイスの数が多く、最大128台のデバイスが接続できます。
また、ホームルーターで、SA(スタンド・アローン)方式の5Gに日本で最も早く対応したのはソフトバンクエアーです。
\ソフトバンクスマホ利用者は割引有り!/
月額料金 | 3,278円〜5,368円(税込) |
セット割引 | ソフトバンク:スマホセットで1台1,100円/月 割引 (離れて暮らす家族分もOK) Y!mobile:スマホとセットで最大1,188円/月 割引 |
速度制限 | 利用者が集中する時間帯で、高負荷となったエリアでは一時的に制限が掛かる場合有り |
端末購入 | レンタル・一括または分割購入 (5G対応端末は購入のみ) |
契約期間 | なし |
運営会社 | ソフトバンク株式会社 |
ソフトバンクAirで取扱中の端末 | |
Airターミナル5 | |
端末外観 | |
製造元 | OPPO |
対応通信規格(WAN) | 5G・4G・AXGP |
最大通信速度 | 下り:2.1Gbps 上り:未発表 |
最大同時接続台数 | 128台 |
対応Wi-Fi通信規格 | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (2.4GHz/5GHz) |
※詳細はソフトバンクの公式サイトでご確認ください。
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ソフトバンクエアーより月額料金が安い「モバレコエアー」とは?違いやメリット・デメリットを分析してみた
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Rakuten Turbo 5G(楽天モバイル)
おすすめポイント
料金:
速度:
エリア:
周辺サービス:
端末のスペック:
Rakuten Turbo 5Gは、楽天モバイルが提供する5G対応のホームルーターです。
最大通信速度は下り2.1GbpsでWi-Fi6に対応し、最大で128台のデバイスを同時接続可能、有線LANポートも2つ備えています。
キャンペーンで6ヶ月目まで0円、7ヶ月目以降は月額4,840円です。
楽天スマホのユーザーには20,000円分のポイントが還元があります。
\ スタートアップキャンペーン中!/
※当初1年間は月額料金1,980円・さらに楽天スマホ利用者は20,000円分のポイント還元
月額料金 | 4,840円(税込) |
セット割引 | なし 楽天スマホ利用者は20,000円分のポイント還元 |
速度制限 | トラフィックがネットワーク帯域の上限を超える場合またはご利用の製品やアプリの設定などにより、通信速度やデータ通信量が制限される場合有り。 本サービス網全体の輻輳(ふくそう)状態が継続して発生することを避けるため、輻輳制御を行う場合有り。 |
端末購入 | 一括または分割購入 |
契約期間 | なし |
運営会社 | 楽天モバイル株式会社 |
楽天ターボで取扱中の端末 | |
Rakuten Turbo 5G | |
端末外観 | |
製造元 | Sercomm Corporation |
対応通信規格(WAN) | 5G・4G |
最大通信速度 | 下り最大:2.1Gbps 上り最大:218Mbps |
最大同時接続台数 | 128台 |
対応Wi-Fi通信規格 | IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax |
【FAQ】ホームルーターを有線で使う際のよくある質問と回答
この他の疑問点は、記事下のコメント欄からご質問をお願いします。
有線・無線同時に使用する事はできますか?
一般的な機種では有線接続と無線接続を、同時に使用することができます。
具体的な使用方法や設定等についてはルーターの機種によって異なるため、ご利用の機種のユーザーマニュアル等をご確認ください。
有線接続するとPING値は改善されますか?
有線接続は無線接続に比べて、通信経路が固定されるため安定した通信が可能になります。
そのため、信号を送受信する過程で生じるパケットロスは少なくなり、信号の遅延(PING値)は少なくなる事が多いです。
有線接続時の方が通信速度は速くなりますか?
有線・無線接続時の通信速度の差分は、使用するWi-Fiの通信規格、イーサネットの通信規格によります。
使用する通信規格は、ホームルーター側とパソコンなどの接続デバイス双方が対応している必要があるため、デバイス側の性能にも左右されます。
ただし、ホームルーターと基地局間(WAN側)の通信速度は変わらないので、劇的な通信速度の変化は見込めません。
ホームルーターを有線で使う場合の注意点と確認ポイント
まとめ
- ホームルーターはLANポートがある機種なら有線接続可能
- ホームルーター側の対応イーサネット規格を確認する
- LANケーブルのカテゴリ種別を確認する
- ホームルーターの利用にはUTPケーブルがおすすめ
- 一般的に有線接続の方がWi-Fi接続よりもPING値は低くなる
参考リンク
NTT東日本 用語解説 イーサネット https://business.ntt-east.co.jp/bizdrive/word/ethernet.html
フリー百科事典 ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/イーサネット
ツイストペアケーブル https://ja.wikipedia.org/wiki/ツイストペアケーブル