実際に使用して通信速度も測定してみました。
是非参考にしてみてください。
この機種の特徴
- 最大通信速度は下り3.9Gbps
- WiMAXモバイルルーターとしては初のSA方式の5Gに対応
- Wi-Fi通信規格はWi-Fi6(IEEE.11ax)に対応
- WPA3の暗号化技術に対応
- 純正クレードル(別売り)有り
- 専用のアプリで通信量の確認ができる
同時発売のホームルーターは以下の記事からどうぞ
【5G SA対応】Speed Wi-Fi HOME 5G L13のスペック解説!L11・L12との違いは?
おすすめ【徹底比較】専門家が選ぶWiMAXおすすめプロバイダーランキング
下り最大3.9Gbps!Speed Wi-Fi 5G X12は5G SAに対応したWiMAXモバイルルーター
Speed Wi-Fi 5G X12 | |
製造元 | NECプラットフォームズ |
カラー | シャドーブラック/アイスホワイト |
対応通信規格(WAN) | WiMAX2+/4G/5G(Sub6) |
最大通信速度 | 下り最大:3.9Gbps 上り最大:183Mbps |
連続待受時間 | 約420時間(初期設定時) |
最大同時接続台数 | Wi−Fi:16台 USB:1台 |
対応Wi-Fi通信規格 | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (2.4GHz/5GHz) |
USBインターフェース | タイプC USB 3.0 |
バッテリー容量 | 4,000mAh |
サイズ | 約136(横幅)× 68(高さ)× 14.8(奥行き)mm |
重量 | 約174g |
SIMカードスロット | au Nano IC Card 05 U×1 |
クレードル | 別売り |
最大通信速度下り3.9Gbps・上り183Mbpsの高速通信
最大通信速度は下り3.9Gbps、上り183Mbpsで、2023年モデルのWiMAXモバイルルーターにおいて最速の高速通信を実現しています。
WiMAXモバイルルーターとして初めてSA方式の5Gに対応
WiMAXモバイルルーターとして初めて、SA方式の5Gに対応しています。
5GにはSA(スタンドアローン方式)とNSA(ノンスタンドアローン方式)の2つの方式があります。
SA方式の5Gは、独立したネットワーク構成で4G基地局との連携が不要なため、最大限に5Gの性能を引き出すことができ、高速、低遅延、同時多接続の通信が可能です。
参考5GのSA・NSAとは?違いとネットワークスライシングを分かりやすく解説!
au 5G(Sub6)・NRに対応している
au 5G(Sub6)とNRの電波に対応しています。
通信キャリア各社では、4Gで使用していた電波を順次5G用に転用しています(これをNR化と呼びます)
ルーターがNR化された電波の周波数に対応していないと、通信速度の面で問題が生じることがありますが、X12はNRの電波にも対応しています。
Wi-Fi6対応の高速通信
Speed Wi-Fi 5G X12はWiF-Fi6に対応しており、2.4GHzと5GHzの周波数帯を同時に利用することができます。
本機種のWi-Fi接続時の最大通信速度は約1.2Gbpsです。
Wi-Fi通信規格 | 最大通信速度 |
IEEE802.11ax (WiFi6) | 9.6Gbps |
IEEE802.11ac (WiFi5) | 6.9Gbps |
IEEE802.11n (WiFi4) | 600Mbps |
WPA3の暗号化技術に対応
Wi-FiルーターとPCやスマホなどの接続は、Wi-Fi電波を使用して無線で接続します。
一般的に、Wi-Fiの電波は第三者による通信情報の漏洩や電波の傍受を防ぐために、暗号化されたデータで送受信されます。
この暗号化技術には規格が存在し、最も高いセキュリティレベルのWPA3に対応しています。(接続デバイスであるPCやスマートフォン側もWPA3に対応している必要があります)
純正クレードル(別売り)有り
Speed Wi-Fi 5G X12には、純正のクレードル(台座)も別売りで用意されています。
クレードルは電源供給機能だけでなく、拡張アンテナとしての役割も果たすため、通信品質が向上する利点があります。
本機種の製造メーカーのNECプラットフォームズは、古い機種から一貫してクレードルの製造を行っており、クレードルが無いと困るという人には嬉しいオプションです。
専用のスマホアプリ(NEC WiMAX +5G Tool)で通信量の確認ができる
「NEC WiMAX +5G Tool」という専用のスマートフォンアプリを使用することで、通信量の確認や通信モードの変更など、詳細な操作を行うことが可能です。
Speed Wi-Fi 5G X12のデメリットと注意点
デメリットと注意点
- タッチパネルは非搭載
- 5Gのミリ波(mmW)には対応していない
- Wi-Fi6EとOFDMAに非対応
- バッテリー持ちがあまり良くない
タッチパネルは非搭載
タッチパネルが搭載されていないため、ディスプレイの横に配置された3つのボタンを使用して操作する必要があります。
タッチパネルに慣れ親しんだ方にとっては、操作性の面で少し不便に感じるかもしれません。
ただし、スマホとは異なり操作が頻繁に必要な場面はあまり無いと思いますが少し残念な点です。
5Gのミリ波(mmW)には対応していない
5Gの電波には大きく以下の3種類があります。
Speed Wi-Fi 5G X12は5Gのミリ波(mmW)には対応してません。
Sub6とNR(4G周波数の5G転用)のみに対応しています。
ミリ波は、5Gの電波の中で最も高速な通信速度ですが、Speed Wi-Fi 5G X12では利用することはできません。
5G電波の種類
- 28GHzの周波数:ミリ波
- 6GHz以下の周波数:Sub6(サブシックス)
- 4G周波数の5G転用:NR
Wi-Fi6EとOFDMAに非対応
Wi-Fi6の後継通信規格のWi-Fi6Eは、6GHz帯の電波が使用できるようになっていますが本機種では非対応です。
6GHz帯域のWi-Fi電波は、移動体通信の利用に適しているため、少し残念な点です。
また、Wi-Fi6ではOFDMAの通信方式が使えるようになっていますが、こちらも非対応です。
OFDMA方式では、周波数帯域を効率的に分割する事ができるため、同時接続台数が増えてもトラフィックの順番待ちが発生しないような仕様の通信方式で、レイテンシーやバッテリー持ちの面でメリットがあります。
3種類のWi-Fi周波数 | |
6GHz 非対応 | モバイルWi-Fiの利用に適している! 電化製品と電波干渉なし 屋外での使用に制限なし |
5GHz | 屋外での使用に制限がある |
2.4GHz | 電化製品と電波干渉がある |
バッテリー持ちがあまり良くない
Speed Wi-Fi 5G X12はバッテリー持ちがあまり良くありません。
バッテリー容量は4,000mAhで、初期設定時の連続通信時間は約9時間です。
エコモードなどを設定すれば、バッテリーの持ちが少し改善されますが、外出時間が長い方はこの点に注意が必要です。
ちなみに、現行の別機種である、GalaxyGalaxy 5G Mobile Wi-Fi【SCR01】のバッテリー容量が5,000mAhで、連続通信時間が16時間です。
Speed Wi-Fi 5G X12の実機レビュー・各部詳細
前モデルX11のデザインを引き継ぎ通信速度は大幅アップ
SIMカードが今回のモデルから変更になっている
- 旧:au Nano IC Card 04 LE U
- 新:au Nano IC Card 05 U
5G SAに対応しているため、SIMは「au Nano IC Card 05 U」に変更になっています。
SIMカードのサイズはどちらも同じです。
5G SAスイッチの設定は本体側で操作可能
5G SAの通信を使用するか否かは、本体側で設定可能です。
ホーム → モバイル → 5G SA
通信速度測定結果(東京都板橋区)
測定メモ
測定場所:東京都板橋区 鉄筋コンクリートマンション
機種:Speed Wi-Fi 5G X12
測定日:2023年6月3日(土)
測定時間:14:39〜14:46
天候:曇り
測定アプリ:SPEEDTEST
スタンダードモード | |||
測定回数 | 下り (Mbps) | 上り (Mbps) | Ping (ms) |
1回目 | 71.6 | 5.14 | 47 |
2回目 | 60.3 | 5.06 | 48 |
3回目 | 75.5 | 6.18 | 52 |
4回目 | 71.7 | 6.18 | 47 |
5回目 | 62.6 | 3.61 | 53 |
平均値 | 68.3 | 5.23 | 49 |
プラスエリアモード | |||
測定回数 | 下り (Mbps) | 上り (Mbps) | Ping (ms) |
1回目 | 92.2 | 5.34 | 48 |
2回目 | 88.6 | 5.05 | 47 |
3回目 | 72.3 | 5.68 | 54 |
4回目 | 67.4 | 3.18 | 50 |
5回目 | 65.3 | 3.11 | 53 |
平均値 | 77.16 | 4.50 | 50 |
旧モデルSpeed Wi-Fi 5G X11や、他社WiMAXルーターとの比較
比較対象
- Speed Wi-Fi 5G X11
- Galaxy 5G Mobile Wi-Fi(SCR01)
- Speed Wi-Fi NEXT WX06(4Gモデル)
旧モデルSpeed Wi-Fi 5G X11からの変更点
通信速度が1.2Gbps速くなっているのと、以前のモデルで少しネックに感じていた、連続通信時間が50分長くなっているのが嬉しい点です。
主な違い
- 最大通信速度が2.7Gbps→3.9Gbpsに1.2Gbpsスピードアップ
- 連続通信時間が約490分→約540分に増えた
Speed Wi-Fi 5G X12
モデル名 | Speed Wi-Fi 5G X11 | Speed Wi-Fi 5G X12 |
カラー | チタニウムグレー/スノーホワイト | シャドーブラック/アイスホワイト |
対応通信規格(WAN) | WiMAX2+/4G/5G(Sub6) | WiMAX2+/4G/5G(Sub6) |
最大通信速度 | 下り最大:2.7Gbps 上り最大:183Mbps | 下り最大:3.9Gbps 上り最大:183Mbps |
バッテリー使用時間 (初期設定時) | 連続通信時間:約490分 連続待受時間:約400時間 | 連続通信時間:約540分 連続待受時間:約420時間 |
最大同時接続台数 | Wi−Fi:16台 / USB:1台 | Wi−Fi:16台 / USB:1台 |
対応Wi-Fi通信規格 | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (2.4GHz/5GHz) | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (2.4GHz/5GHz) |
USBインターフェース | Type C | Type C |
バッテリー容量 | 4,000mAh | 4,000mAh |
サイズ | 約136(W)× 68(H)× 14.8(D)mm | 約136(W)× 68(H)× 14.8(D)mm |
重量 | 約174g | 約174g |
SIMカードスロット | au Nano IC Card 04 LE U×1 | au Nano IC Card 05 U×1 |
クレードル | 別売り | 別売り |
Galaxy 5G Mobile Wi-Fi(SCR01)との比較
主な違い
- X12の方が下りの通信速度が1.7Gbps分速い
- X12の方が約29g軽い(100円硬貨6枚分程度)
- Galaxy 5G Mobile Wi-Fiの方が連続通信時間は460分長い
- Galaxy 5G Mobile Wi-Fiの方がバッテリー容量は1,000mAh多い
Speed Wi-Fi 5G X12
モデル名 | Galaxy 5G Mobile Wi-Fi 【SCR01】 | Speed Wi-Fi 5G X12 |
カラー | ホワイト | シャドーブラック/アイスホワイト |
対応通信規格(WAN) | WiMAX2+/4G/5G(Sub6) | WiMAX2+/4G/5G(Sub6) |
最大通信速度 | 下り最大:2.2Gbps 上り最大:183Mbps | 下り最大:3.9Gbps 上り最大:183Mbps |
バッテリー使用時間 (初期設定時) | 連続通信時間:約1,000分 連続待受時間:約790時間 | 連続通信時間:約540分 連続待受時間:約420時間 |
最大同時接続台数 | Wi−Fi:10台 / USB:1台 | Wi−Fi:16台 / USB:1台 |
対応Wi-Fi通信規格 | IEEE802.11a/b/g/n/ac (2.4GHz/5GHz) | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (2.4GHz/5GHz) |
USBインターフェース | Type C | Type C |
バッテリー容量 | 5,000mAh | 4,000mAh |
サイズ | 約147(W)× 76(H)× 10.9(D)mm | 約136(W)× 68(H)× 14.8(D)mm |
重量 | 約203g | 約174g |
SIMカードスロット | au Nano IC Card 04 LE U×1 | au Nano IC Card 05 U×1 |
クレードル | なし | 別売り |
Speed Wi-Fi NEXT WX06(4Gモデル)との比較
Speed Wi-Fi NEXT WX06は、4G対応モデルのため利用は推奨しません。(WiMAXの4G帯域が5Gへの転用で大幅に縮退しているため)
主な違い
- X12の方が下りの通信速度が約3.5Gbps分速い
- X12の方がバッテリー容量は800mAh多い
- X12の方が同時接続機器数が5台多い
- WX06の方が連続通信時間は300分長い
Speed Wi-Fi 5G X12
モデル名 | Speed Wi-Fi NEXT WX06 | Speed Wi-Fi 5G X12 |
カラー | ライムグリーン/クラウドホワイト | シャドーブラック/アイスホワイト |
対応通信規格(WAN) | WiMAX2+/4G | WiMAX2+/4G/5G(Sub6) |
最大通信速度 | 下り最大:440Mbps 上り最大:75Mbps | 下り最大:3.9Gbps 上り最大:183Mbps |
バッテリー使用時間 (初期設定時) | 連続通信時間:約840分 連続待受時間:約700時間 | 連続通信時間:約540分 連続待受時間:約420時間 |
最大同時接続台数 | Wi−Fi:10台 / USB:1台 | Wi−Fi:16台 / USB:1台 |
対応Wi-Fi通信規格 | IEEE802.11a/b/g/n/ac (2.4GHz/5GHz) | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (2.4GHz/5GHz) |
USBインターフェース | Type C | Type C |
バッテリー容量 | 3,200mAh | 4,000mAh |
サイズ | 約111(W)× 62(H)× 13.3(D)mm | 約136(W)× 68(H)× 14.8(D)mm |
重量 | 約127g | 約174g |
SIMカードスロット | au Nano IC Card 04 LE U×1 | au Nano IC Card 05 U×1 |
クレードル | 別売り | 別売り |
【FAQ】Speed Wi-Fi 5G X12のよくある質問と回答
Speed Wi-Fi 5G X12のよくある質問と回答です。
この他のご不明な点は、記事下コメント欄からご質問頂ければ、コメントに返信する形でご回答させて頂きます。
5Gのスタンドアローンとはどのような機能ですか?
エンドユーザーとして最も恩恵を受けるのが通信の低遅延化です。
従来の5Gでは、アンカーバンドとして設定された、4G周波数と必ずペアで使用する必要がありましたが、スタンドアローン方式の5Gでは、5Gとして独立したネットワーク構成でトラフィックを処理します。
そのため、4G基地局との連携が必要なくなり、反応の速さ(レイテンシ・PING値)に強くなります。
利用には5G SAのサービス提供エリア内で通信する必要があります。
プラスエリアモードで利用できるデータ容量は?
5G SAに対応した料金プランの場合、30GB/月です。
auスマホ割(auスマートバリュー)、UQモバイル 自宅セット割(インターネットコース)に加入でプラスエリアモードのオプション利用料は無料になります。
Speed Wi-Fi 5G X12の本体価格はいくらですか?
27,720円(税込)です。
契約するWiMAXプロバイダーによって若干変動がある場合がありますが、基本的には27,720円(税込)を、一括か2年・3年等の期間で分割で支払います。
詳しくはWiMAXプロバイダー各社の公式サイトをご確認ください。
Speed Wi-Fi 5G X12はSIMフリーですか?
端末はSIMフリーです。
他社のSIMカードでも端末側にAPN設定を行えば使用できますが、サポート外となるので基本的には非推奨です。
端末(Speed Wi-Fi 5G X12)が使用できるバンドと、使用する通信会社で使えるバンドの照合が必要です。
サービス提供エリアはどこで調べられますか?
WiMAXのサービス提供エリアは、以下のエリアマップで確認することができます。
各WiMAXプロバイダーの公式サイトからも確認できるようになっています。
5G SAを使うと通信速度は速くなりますか?
現時点では、5G SAを使用したからといって直接的な通信速度アップは見込めません。
5G SAでユーザー側が得られる効果として最も大きいのが通信の低遅延化です。
これまでのモバイル通信環境では不利とされていたFPS等のオンラインゲームで、ラグい状態を少なくすることが期待できます。
なぜ速度は速くならないの?
※少し専門的な話になるので興味のある方だけご覧ください
通信速度を決定する一番の要因は、データの通り道(帯域)の広さです。(※もちろん混雑などの影響により使用できる帯域は増減します)
5G SAを使用したからといって、根本的なデータの通り道が広くなるわけではないので、劇的な通信速度のアップは見込めないという事になります。
海外通信事業者の事例では5G SAの運用で、4G周波数とのCAが無くなり逆に通信速度が低下したとのデータもあります。
通信速度に直接影響
- 電波の帯域
- バックホールの伝送速度
これまではバーチャルLANの技術を用いてバンド単位で仮想的にネットワークを分割し、トラフィックをコントロールする事が一般的でした。
5G SAで使用可能なネットワークスライシングの技術により、アプリケーション単位のE2E(エンドツーエンド)でネットワークを動的に分割する事が可能になるので、副次的効果としてスループットが向上することは考えられます。
今よりも高速な通信速度を実現するためには、電波の帯域幅を増やす(ミリ波の本格活用や、電波の帯域を束ねるCAを使用する)と、基地局とコアネットワークを結ぶバックホールの伝送速度を増やす等の2箇所の変更が必要になります。
Speed Wi-Fi 5G X12の特徴まとめ
結論、Speed Wi-Fi 5G X12は、おすすめできるモバイルルーターです。
特徴まとめ
- 最大通信速度は下り3.9Gbps
- WiMAXモバイルルーターとしては初のSA方式の5Gに対応
- Wi-Fi通信規格はWi-Fi6(IEEE.11ax)に対応
- WPA3の暗号化技術に対応
- 純正クレードル(別売り)有り
- 専用のアプリで通信量の確認ができる
デメリットと注意点
- タッチパネルは非搭載
- 5Gのミリ波(mmW)には対応していない
- Wi-Fi6EとOFDMAに非対応
- バッテリー持ちがあまり良くない
【徹底比較】現役通信技術者が選ぶWiMAXおすすめプロバイダーランキング【2024年11月】
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