モバイルWi-Fiを使用すれば、場所を問わず様々なデバイスをネット接続できるため、外配信にも便利です。
この記事では、ライブ配信用におすすめのモバイルWi-Fiと選び方の注意点を解説しています。
ぜひ参考にして頂き、快適なライブ配信環境を手に入れてください。
ライブ配信に必要な回線速度は?
4Kのライブ配信でも、最大51Mbpsの通信速度が出ていれば良い事が分かります。
高画質になるほど、必要な回線速度は大きくなります。
YouTubeライブ配信に必要な回線速度 | |
2160p(4K) | 60 fps:20~51Mbps |
30 fps:13~34Mbps | |
1440p | 60 fps: 9~18Mbps |
30 fps:6~13Mbps | |
1080p | 60 fps:4.5~9Mbps |
3~6Mbps | |
720p | 60 fps:2.2~6Mbps |
1.5~4Mbps | |
480p | 500Kbps~2Mbps |
360p | 400Kbps~1Mbps |
240p | 300~700Kbps |
出典:YouTubeヘルプ ライブ エンコーダの設定、ビットレート、解像度を選択する より
通信速度の測定方法
Google検索でInternet Speed Testを検索すると、トップにインターネット速度テストツールが表示されます。
『速度テストを実行』ボタンを押下すると、現在使用しているインターネットの通信速度測定がスタートします。
最初に下り(ダウンロード側)の通信速度を測定し、次に上り(アップロード側)の通信速度を測定します。
簡単に測定できるので、ぜひお使いのインターネットスピードを確認してみてください。
上り(アップロード側)の通信品質が重要
ライブ配信では、映像データをライブ配信で使用するプラットフォームのサーバーにリアルタイムで送信し続けるため、アップロード側(上りともいいます)の帯域を使用します。
一般的に、通信回線は下り側の使用率が圧倒的に多いため、下り側よりも上り側の帯域の方が細くなっています。
回線速度を測定すると、ほとんどの場合、下よりも上り側の通信速度が遅くなっているはずです。
ライブ配信では、元々細い上り側の帯域を使用しますので、低スペックなモバイルWi-Fiを選んでしまうと特に影響が出やすいです。
参考記事上りと下り、モバイルWiFiの通信品質ではどちらが重要?
ライブ配信に耐えられるモバイルWi-Fiと選び方のポイント
以下の4点を比較するようにしてみてください。
選び方のポイント
- 最大通信速度をチェック
- 対応Wi-Fi通信規格
- データ容量は無制限が望ましい
- バッテリー持ち(連続通信可能時間)
最大通信速度をチェック
モバイルWi-Fiの製造メーカーや、プロバイダーが公表している最大通信速度は理論値なので、この通信速度が出る事はありません。
ただし、スペックは悪いよりも良いに越した事はありませんので、最大通信速度はなるべく高速な物を選ぶようにすると良いでしょう。
個人的な感覚ですが、公表されているの通信速度の1/5以下しか出ないと考えておいた方が良いでしょう。(必ずしもこの通りとは限りません)
対応Wi-Fi通信規格
モバイルWi-Fi本体と、ライブ配信をするデバイス(スマホやPC)などを接続する、Wi-Fi電波の通信規格をチェックしましょう。
現在、最も最新で高速な通信規格はWi-Fi6です。
Wi-Fi6(IEEE802.11ax)に対応している機種を選ぶようにしてください。
Wi-Fiアライアンス呼称 | IEEE規格名 | 最大実行速度 |
Wi-Fi 6 | IEEE802.11ax | 9.6Gbps |
Wi-Fi 5 | IEEE802.11ac | 6.9Gbps |
Wi-Fi 4 | IEEE802.11n | 600Mbps |
データ容量は無制限が望ましい
月に100GBなど、予め決められたデータ容量を安価で使えるプロバイダーもありますが、ライブ配信用に使うなら無制限のプロバイダーがおすすめです。
容量に限りがあると、決められたデータ容量を超過した場合の通信速度は128kbpsに制限が掛かり、ライブ配信としては使い物にならなくなってしまいます。
また、データ容量無制限のプロバイダーであっても、短時間に大量のデータ通信を行なった場合は、一時的な通信速度制限を設けている場合もあります。
バッテリー持ち(連続通信時間)の確認
搭載しているバッテリー容量が多くても、連続通信時間が短い機種が稀にあります。
バッテリー容量よりも、連続通信時間をメーカーやプロバイダーのホームページで確認するようにしましょう。
ライブ配信におすすめのモバイルWi-Fi 4選(視聴にもおすすめ)
WiMAXは、高速なau5G回線が標準で使えるうえに、データ容量は無制限で利用できます。
また、使用できるエリアもauエリア+WiMAXエリアで広く、屋内外問わずライブ配信にピッタリのモバイルWi-Fiと言えます。
配信側だけでなく、視聴にもおすすめです。
通信事業者 | 利用料金(税込) |
Broad WiMAX | 1,397円〜4,950円 |
GMOとくとくBB WiMAX | 1,375円〜4,807円 |
Rakuten WiFi Pocket | 1,078円〜3,278円 |
WiFiレンタルどっとこむ | 127円〜/日 |
ここでは僕が選ぶ、おすすめの無制限モバイルWi-Fiをご紹介します。
Broad WiMAX
Broad WiMAXは、auの5G・4G回線、WiMAX回線の3回線が標準で利用できてエリアが広いうえに、データ容量は無制限です。
他社通信サービスからの乗り換えで発生した違約金を40,000円まで負担してくれるサービスがあり、最高水準の通信環境に乗り換えたい方にもピッタリです。
繋がりにくい場合に力を発揮するオプションの通信モードは、au・UQスマホセット割適用時に無料で利用できます。
月額料金 | 1,397円〜4,950円(税込) |
最大通信速度 | 下り最大:4.2Gbps 上り最大:286Mbps (端末により異なる) |
通信制限 | 無制限 (一定期間内に大量のデータ通信をすると、ネットワーク混雑時間帯に速度制限がかかる場合有り) |
対応Wi-Fi通信規格 | Wi-Fi 6 他 (端末により異なる) |
最大連続通信時間 | 約8時間 (端末により異なる) |
GMOとくとくBB WiMAX
とくとくBBは、モバイルWi-Fiの中でも最も高額なキャッシュバックを実現しているWiMAXプロバイダーです。
端末代も無料、オプションの通信モードも無料、最新端末の在庫も潤沢です。
大手インターネットサービスプロバイダーならではの充実したサービスが魅力です。
月額料金 | 1,375円〜4,807円(税込) |
最大通信速度 | 下り最大:4.2Gbps 上り最大:286Mbps (端末により異なる) |
通信制限 | 無制限 (一定期間内に大量のデータ通信をすると、ネットワーク混雑時間帯に速度制限がかかる場合有り) |
対応Wi-Fi通信規格 | Wi-Fi 6 他 (端末により異なる) |
最大連続通信時間 | 約8時間 (端末により異なる) |
Rakuten WiFi Pocket
楽天モバイルのモバイルWi-Fiは、月のデータ使用量3GBまでは1,078円(税込)で利用できます。
使用したデータ容量に応じて料金が変化する仕組みのプランで、最大3,278円(税込)でデータ容量無制限で利用出来ます。
送付されてくるSIMカードを、スマホに差し替えればスマホでのライブ配信もできます。
月額料金 | 1,078円〜3,278円(税込) |
最大通信速度 | 下り最大:150Mbps 上り最大:50Mbps (端末により異なる) |
通信制限 | 無制限 (公平なサービスのため、速度制限の場合あり) |
対応Wi-Fi通信規格 | Wi-Fi 4 他 (端末により異なる) |
最大連続通信時間 | 約10時間 (端末により異なる) |
短期利用の場合はレンタルがおすすめ
WiFiレンタルどっとこむは、東証プライム上場企業の株式会社ビジョンが運営するレンタルWi-Fiサービスの最大手です。
必要な時に1日から利用できるので、短期間の利用を検討している人におすすめです。
5G対応の最新端末や、ホームルーターの取り扱いもあります。
この点にご注意ください。
レンタル中の端末 | SoftBank、au、WiMAX |
レンタル料金 (機種により異なる) |
¥127〜/日 税込・送料別 |
受け取り方法 | 宅配受け取り、空港受け取り、コンビニ受け取り |
返却方法 | 宅配便、ポスト返却、空港返却 |
【くるくる回避】モバイルWi-Fiで安定してライブ配信する方法
ぜひ参考にしてみてください。
ここに注意
- 接続する機器は極力少なくする
- 5GHzのWi-Fi電波を使おう
- 有線接続できる機種は有線接続の方が安定する
- モバイルWi-Fi本体はなるべく窓側に置く
- 事前にサービスエリアを確認すると良い
接続する機器は極力少なくする
ライブ配信中は、モバイルWi-Fiに接続するスマホやPC等のデバイスはなるべく少なくするようにしましょう。
できれば、配信に使用する物以外は接続しない事が理想的です。
実際に使用をしていなくても、バックグラウンドで動作するアプリケーションなどで僅かながら帯域を使用してしまいます。
現在接続中のデバイス数は、本体側で確認できるようになっている事が多いです。
上記の場合は、2/11と表示されているので、最大11台接続可能なところ現在2台接続しています。
5GHzのWi-Fi電波を使おう
モバイルWi-Fi本体と配信デバイス間を接続するWi-Fi電波は2.4GHzと5GHzの2種類から選べる場合が多いです。
周波数を選べる場合は5GHzの周波数帯で接続すると、電波干渉の影響を受けず接続が切れる事が少ないです。
ただし、モバイルWi-Fiと、配信デバイスの両方が接続するWi-Fi通信規格に対応している必要があります。
5GHzを利用できるWi-Fi通信規格は、WiFi4〜6と、IEEE802.11aです。
Wi-Fi通信規格 | 利用可能周波数 | 最大通信速度 |
IEEE802.11ax (WiFi6) |
2.4 / 5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ac (WiFi5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11n (WiFi4) |
2.4 / 5GHz | 600Mbps |
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps |
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps |
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps |
5GHzには屋内用と屋外用がある
Wi-Fi電波の5GHz帯には屋内用と屋外用のチャンネルがあり、外でライブ配信をする場合には少し注意が必要です。
5GHzは電化製品等との干渉は無いのですが、日本では気象衛星や航空無線で5GHzの一部のチャンネルを使用しています。
そのため、5GHz帯は屋内用と屋外用で区別がされていて、正しく使用しないと法律で罰せられる場合があります。
5GHzの使用ルール | |
W52 | 屋内用 |
W53 | 屋内用 |
W56 | 屋内・屋外用 |
チャンネルの切り替えに関しては、Wi-FiルーターにDFS(Dynamic Frequency Selection)という、気象衛星等の電波を受信する機能が法律で義務付けられています。
DFSで気象衛星等の電波をルーターが検知すると、チャンネルが自動で切り替わるようになっています。
有線接続できる機種は有線接続の方が安定する
モバイルWi-Fi本体と配信デバイスの間は、USBやLANケーブル等で有線接続する事ができる機種があります。
この場合、Wi-Fi接続で使用するよりも、有線接続により固定した通信経路が確保できるため安定したライブ配信ができます。
モバイルWi-Fi本体はなるべく窓側に置く
屋内でライブ配信をする場合、モバイルWi-Fi本体はなるべく見通しの良い窓の近くに置くようにしてください。
大型商業施設など、人が多く集まる施設では屋内基地局が設置されている場合もありますが、スマホやモバイルWi-Fiは基本的に屋外基地局の電波を使用して通信するためです。
電波状況を確認しながら、電波の良いポイントを探してみてください。
事前にサービスエリアを確認すると良い
屋外でライブ配信をする場合は、事前にサービス提供エリア内であるかを確認すると良いです。
通信事業者各社は、利用者の多い場所から優先的に基地局建設をしています。
例えば、山奥の秘境からライブ配信をしようと思ったら電波が入らなくて出来なかった。とならないように事前に確認しておくと慌てずに済みます。
まとめ
ぜひ参考にして頂き、快適なライブ配信環境を手に入れてくださいね。
まとめ
- ライブ配信に必要な回線速度は、YouTubeの4Kライブ配信でも最大51Mbps
- ライブ配信には、上り(アップロード側)の通信品質が重要
- 選び方のポイントは、最大通信速度、対応Wi-Fi通信規格、連続通信可能時間
- ライブ配信にはデータ容量無制限で、高速5G回線が利用できるWiMAXがおすすめ