実際どうやって使って、どのような仕組みでインターネットに繋がるんでしょうか?
人気記事最強モバイルWi-Fi(ポケット型Wi-Fi)決定戦!現役通信技術者が選ぶ最新おすすめランキング
モバイルWiFiとは?
モバイルWiFiとは、持ち運びができるモバイルタイプのWiFiルーターの事です。
モバイルWiFi、ポケット型WiFi、WiMAX、WiFiルーターなどなど色々な言い方がありますが、厳密に言うと、アルファベット表記の「Pocket WiFi」はソフトバンクの商標となっています。
日本では、ポケットWiFiという表現の方が一般的に浸透しているようですが、「ポケットWiFi」はソフトバンク、Y!mobileの商品名です。
世界的にも持ち運びできるWiFiルーターの事は、Mobile WiFi(モバイルWiFi)という表現でOKです。
ちなみにWiMAXは通信規格の名称で、スマホなどに利用されている、LTE(TD-LTE)と互換性を持った通信方式です。
どんな事ができるの?(基本機能)
モバイルWiFiを使ってインターネットに接続します。
持ち運び型のルーターなので、モバイルWi-Fi本体とWi-Fi電波でスマホやPCなどを接続すれば、外出先でも自宅でも、さまざまな機器をインターネットに接続する事ができます。
例えば、家族旅行やキャンプに1台持って行って、家族や友達みんなでネットに接続するという使い方もできます。
同時接続できる機器の台数や、最大通信速度はモバイルWiFiのスペックにより異なります。
より最新で高機能なWiFiルーターほどセキュリティ機能や通信品質が良くなるという傾向があります。
モバイルWiFiの仕組みを解説!どうして繋がるの?
基地局からの電波をモバイルWiFiルーターが送受信してインターネットに接続します。
基本的にはスマホがネットに接続できる原理と同じですので、基地局が近くにある事が利用できる条件になります。
私たちの身近にある基地局の形態
普段あまり意識する事はないと思いますが、私たちの生活の身の回りには、スマホやモバイルWiFiの電波を送受信する基地局があります。
このタイプの基地局は都市部の屋外タイプで最も多いタイプの基地局です。
青丸の部分が無線機とアンテナ、位置情報を把握するGPSアンテナです。
普段利用している駅ホームを見渡してみると、このような設備がある事を確認できると思います。
提供会社による通信品質の違いは?
通信会社によって使っている電波の周波数が異なり、この周波数や基地局数が通信の品質(速度やエリア)に大きく関わっています。
例えば、Y!mobileはソフトバンクの電波を併用(キャリア・アグリゲーション)する事で高速化を図り、UQ WiMAXはauの電波を利用してエリアの拡大と繋がりやすさの向上を図っています。
通信事業者が利用できる電波の周波数は、総務省が割り当てを行いますが、このように資本関係にある関連通信会社の電波をうまく利用して、より速度を早くしたりしています。
また、速度が早ければ良いというわけではなく、使えるエリアが広いという点も通信品質の評価をするうえでは非常に重要です。
モバイルWiFi 2大勢力の各社の状況は以下の通りです。
Y!mobile
Y!mobile(SoftBank)
利用周波数:2.5GHz・およびソフトバンクの周波数
通信方式:AXGP・4G LTE・5G
最大下り通信速度:2.4Gbps(ルーターの機種やエリアにより異なる)
UQ WiMAX
UQ WiMAX(UQコミュニケーションズ)
利用周波数:2.5GHz・およびauの周波数
通信方式:WiMAX2+・4G LTE・5G
最大下り通信速度:4.2Gbps(ルーターの機種やエリアにより異なる)
利用する電波の周波数による違い
電波は周波数によって特性があり電波の進み方などが異なります。
特に700MHz~900MHzの周波数帯域は、障害物に強く高速な通信が可能なため「プラチナバンド」と呼ばれ、通信会社では営業アピールや、エリアを構築する際に重宝されています。
周波数が高い
- 直線性が高く建物などの障害物に弱い
- 遠くまで電波は届かない(距離による減衰が大きい)
- 利用できる帯域幅が増えるため高速な通信が可能
周波数が低い
- 障害物を回り込む性質があるため、建物の陰などでも比較的使える
- 遠くまで電波が届く(距離による減衰が小さい)
- 利用できる帯域幅が少ないため高周波数と比べると低速
モバイルWiFiのメリットとデメリットは?
メリットとデメリットを解説していきますね。
デメリット
通信品質の安定性は固定回線の方が勝る
主に自宅などで使う光ファイバーの固定回線に比べると、モバイルWiFiの通信品質は劣ってしまう事が多いです。
提供エリアや、通信速度などを基準に考えると、電波を使って通信するモバイルWiFiはどうしても不安定になりがちです。
ただし、光ファイバーが提供エリア外であったり、一部のマンションタイプの場合、モバイルWiFiの方が優位になるという事も少なくありません。
こちらの記事で詳しく書いていますので、興味がある方は参照してみてください。
-
モバイルWiFiと固定回線どっちを選ぶ?迷った時にはここを確認!
続きを見る
デメリット
契約内容によっては、容量を越えると速度制限がかかる場合がある
スマホなどもそうですが、モバイルWiFiも「月に100GBまで」など、契約内容により通信制限が設けられている場合があります。
契約容量を超過してしまった場合には規制が掛かり、128Kbps〜1Mbpsなど低速通信になります。
この場合、容量を追加で購入するか、低速のまま月内は使い続ける事になります。
プロバイダー | 速度制限が適用される条件 | 速度制限 |
WiMAX | 一定期間内に大量のデータ通信をした場合 | ネットワーク混雑時間帯に速度制限がかかる場合有り |
Y!mobile (Pocket WiFiプラン2 他) |
前日までの3日間の通信量が約10GB以上の利用 | 10GBを超えた日(18時〜翌1時)に1Mbps |
デメリット
ルーターの持ち運びが少々面倒
外出先で使用する場合、使用するPCやタブレット、スマホなどと一緒にモバイルWiFiルーターを持ち運ぶ必要があります。
デメリット
ルーターを紛失するリスクがある
外出先に持ち歩く機会が多いと思いますので、ルーターを紛失するリスクがあります。
家の中での紛失であれば基本的に出てくる事が多いと思いますが、外出先で紛失した場合は手元に戻ってくる確率は低いでしょう。
紛失をした場合、回線を止める手続きをしたり、機種変更の手続きをしたりなど面倒な事が多いです。
プロバイダーでは、ルーターを紛失した場合の端末保証サービスなどもありますが、基本的には有料となります。
プロバイダー | 保証内容 | 月額料金 |
UQ WiMAX 端末保証サービス |
故障・紛失・盗難時など、同一機種と交換 | 418円(税込) |
Y!mobile あんしん基本パック |
故障・紛失・盗難時など、アウトレット品を特別価格で提供 | 550円(税込・初月無料) |
デメリット
バッテリーの持ちを気にする必要がある
ルーターの電池が無くなると、一切通信ができなくなります。
外出先で使用できるのは本当にありがたいのですが、バッテリーの残量を気にしながら使うのに少しストレスを感じる人もいるかもしれません。
こちらの記事で電池持ちが良いモバイルWiFiについて詳しく書いていますので、興味がある方は参照してみてください。
-
電池持ちが良いモバイルWiFiはこれ!最新機種を比較してみた結果
続きを見る
メリット
外出先でもネットに接続できる
モバイルWiFiの大きなメリットの一つに、外出先で使用できるという事があります。
電波を使って通信するので、通勤中の電車内や、旅行先など場所を問わずに利用する事ができます。
メリット
月額利用料金が固定回線と比べると安い
月額料金が固定回線と比べる安価なため、通信費用の節約に使う人も多いです。
自宅の固定光回線を解約してホームタイプのルーターにしたり、格安SIMとモバイルWiFiを併用して通信費の節約をする事も可能です。
例えば、スマホは格安SIMの安いプランを契約して利用料金を抑え、モバイルWiFi側でインターネット接続するようにすれば、毎月安く多くのギガ容量を使う事ができます。
回線 | 月額料金 |
Broad WiMAX | 1,397〜4,950円 |
フレッツ光NEXT (戸建タイプ) |
5,626円〜 (利用プロバイダにより異なる) |
フレッツ光NEXT (マンションタイプ) |
3,839円〜 (利用プロバイダにより異なる) |
メリット
開通工事がないのですぐに使える
固定回線のように開通工事やホームゲートウェイなどの設置がないため、ルーターを入手して簡単な設定をすれば、すぐにインターネットが利用できます。
例えば、申し込みをして最短その日から利用するといった事も可能です。
もちろん開通工事費用などもかかりません。
メリット
ルーターのサイズが小さいので持ち運びが簡単
持ち運びが面倒に感じる人も少なくありませんが、ルーター自体はとてもコンパクトなため簡単に持ち運びができます。
カバンの中で電源を入れた状態にしておいても、WiFiの電波は十分キャッチできます。
モバイルWiFiの選び方
良いモバイルWiFiの3つの条件
- 利用料金が安い事
- 通信速度が早い事
- 使えるエリアが広い事
この3つを基準に選べば間違いないと断言できます。
利用料金や対応エリアは、プロバイダーのホームページなどで確認する事ができるのですが、通信速度に関しては「最大○Gbps」という表現になっています。
この点に関しては、回線の混雑状況などによるため、プロバイダー側も「通信速度は最低○Gbpsを保証します」という表現はする事はできません。
実際の通信速度を把握するポイントとしては、測定結果など実測値を公開している比較サイトなどを参考にしたり、お試しサービスなどを利用してみて実際の通信速度を確認してみる事が大切です。
-
【測定してみた】時間帯でモバイルWiFiの通信品質は変わるのか?
続きを見る
まとめ
まとめ
- モバイルWiFiとは、持ち運びができるモバイルタイプのWiFiルーターの事です。
- 外出先でもさまざまな機器をインターネットに接続する事ができます。
- モバイルWiFiは最寄り基地局からの電波をルーターが送受信してインターネットに接続できる仕組み。
- 通信品質の評価は速度だけではなく、提供エリアも重要な指標
- 使用する電波の周波数によって障害物に弱かったり、電波が届く距離が長いなど特性がある