モバイルWi-Fiをはじめとしたモバイル通信は、一部の地域だけで使える便利なツールというだけではダメで、水道や電気などと同じように、生活インフラとしての重要な役割を担っています。
通信事業者は、顧客獲得に向けた企業努力などもあり、繋がらない場所がなるべく発生しないように、利用できる場所(エリア)を順次拡大しています。
しかしながらモバイル通信の特性上、どんなに高品質なモバイルWi-Fiでも、どうしても繋がらない場所というものが存在します。
解説していきます!
モバイルWi-Fiが繋がらない場所はこんな所
- コンクリートで密閉された空間
- 金属の壁で密閉された空間
- 地下
- 空の上
- 陸上からの電波が届かない海上、海底
- サービス提供エリア外
などがあります。
使用する場所に電波が届くかがポイント
上記で挙げた例をご覧いただくと分かると思いますが、通信基地局からの電波が届かない場所ではモバイルWi-Fiは繋がりません。
例えば、どこのキャリアのスマホでも圏外になってしまうような場所では、モバイルWi-Fiも基本的には繋がらないと考えて良いでしょう。
コンクリートや金属などで密閉された空間の中
コンクリートや金属は電波を通しにくい性質を持っています。
これらの素材で密閉された空間の中には電波が侵入することが難しいため、繋がらなくなります。
エレベーターの中でスマホが繋がらないという事を経験した人も多いかと思いますが、エレベーターのカゴは金属で覆われているうえに密閉に近い状態のためです。
また、鉄筋コンクリートの建物は電波を通し難いですが、こちらも「密閉されているかどうか」という事がポイントになってきます。
四方が密閉された空間でなければ、窓などから屋外の電波をキャッチする事ができます。
地下
地上からの電波をキャッチする事ができない地下も基本的には繋がりません。
人が多く集まる商業施設や公共施設が、電波の届かない地下にある場合は、通信事業者が屋内型のアンテナを設置して、地下でも通信できるように対策をしています。
電波の届かない地下鉄やトンネルなども本来であれば通信不可になりますが、通信事業者が屋内型のアンテナを設置して通信できるように整備をしています。
空の上
通信事業者は、ユーザーが陸上で利用する事を想定して基地局を作っています。
アンテナの詳細な角度まで計算し、地上に向けて電波干渉を起こさないように緻密なエリア設計をしています。
そのため、空の上から地上に向けた電波を通信可能なレベルでキャッチすることはできません。
また飛行機内でモバイルWi-Fiを利用する事は法律で禁止されています。十分にご注意ください。
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陸上からの電波が届かない海上、海底
海の上には通信基地局を作る事ができません。
したがって、陸上からの電波を受信できない海上や、海底ではモバイルWi-Fiは繋がりません。
通信事業者によっては、海岸に近い陸地から海上方向に通信基地局のアンテナを向けて、遠方まで電波を飛ばしている場合もあります。
(陸上からの電波が届かない範囲まで沖に出た場合は繋がらなくなります)
ちなみに、船舶に搭載されている電話などは、モバイルWi-Fiとは異なる衛星を利用した特殊な方法で通信をしています。
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サービス提供エリア外
通信事業者は電波を届けたくても物理的に届けられない場所の他に、あえて基地局を作らない場所もあります。
人が多く集まる場所や、需要が高い地域に優先的に基地局を作っていきますが、人が誰も住んでいない、ほとんど人が行き来するような場所ではない、というエリアには基地局を作らない事があります。
そういった場所では当然モバイルWi-Fiは繋がらなくなります。
利用する人がほとんど居ないような場所に、資金を投じてわざわざ通信基地局を作っても、事業として採算が取れないためです。
ただし、冒頭で述べたようにモバイル通信は生活インフラとしての重要な社会的責務を担っている面もあるため、ごく僅かでも需要がある地域には、地方自治体などと協力をして基地局を作る場合もあります。
モバイルWi-Fiのサービス提供エリアは、プロバイダのホームページで確認する事ができます。
通信障害やメンテナンスで基地局が停止することも
サービス提供エリア内であっても、基地局の通信障害やシステム交換などのメンテナンスで、基地局周辺のモバイルWi-Fiが繋がらなくなることがあります。
大規模な通信障害の際にはニュースなどで大きく報じられるので、直ぐに分かると思いますが、局地的な通信障害の場合は、通信事業者のホームページに「障害情報」として掲載されます。
また、メンテナンスのために基地局を計画的に停止する場合には、メンテナンス時間を予め決め、同じくホームページで事前にユーザー周知をしたうえで、基地局の電波を止めてメンテナンスをします。
通信基地局のメンテナンスは、水道工事に伴う断水や、電気工事に伴う停電などのように周辺住民に対しポスティングなどで告知されることは、ほぼ有りません。
同じ場所でいつも繋がっていたのに、急に繋がらなくなったという場合は、通信事業者のホームページを確認してみると、実はメンテナンスや障害のためだったという事が、ごく稀にあります。
【まとめ】モバイルWi-Fiが繋がらずに困ったら、まずは居場所を確認
モバイルWi-Fiを利用できる条件は通信基地局からの電波を受信できている状態が前提となります。
繋がらない場所を事前に知っておく事で、接続できない場合の切り分けや、イザという時に役に立つと思います。
電波が届かない代表的な場所
- コンクリートで密閉された空間
- 金属の壁で密閉された空間
- 地下
- 空の上
- 陸上からの電波が届かない海上、海底
- サービス提供エリア外
電波が届かない場所に該当しそうな場合は、居場所を移動してみてください。
電波が受信できる場所に移動
- 屋内の場合は窓側に移動してみる
- 地下の場合は地上に出てみる
- 屋外の場合はビルの屋上や鉄塔など近くにアンテナが無いか探してみる
それでも繋がらない場合は、契約状況や端末側の原因などを探ってみるようにしてください。
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