問い合わせを受ける事が多い質問なので、分かりやすく解説します!
屋外と鉄筋コンクリートの建物内での速度の違いも検証もしてみました。
鉄筋コンクリートの建物内にモバイルWiFiの電波は届きにくい?
鉄筋コンクリートの建物内にモバイルWiFiの電波が届きにくいのは事実です。
ただし、条件によるので電波が届きにくくなる原因などを解説します。
モバイルWiFiだけではなく、スマホ・携帯も理屈は同じなのでぜひ参考にしてみてください。
電波が届きにくいのはどうして?
もともと電波は、障害物による遮蔽(しゃへい)の影響を受けます。
特に、コンクリート・鉄、どちらも電波を通過しにくい性質を持っているため、その2つでできた鉄筋コンクリートの壁は電波を通過しにくくします。
そのため屋外での利用と比べると、どうしても電波は弱くなってしまいます。
電波の強さや建物の構造による
もともと電波が弱い場所で、さらに電波を通しにくい鉄筋コンクリートの建物内に入ればさらに弱くなります。
また、建物の構造や部屋の間取りなどの影響も大きく、屋内の入り組んだ場所にも電波は届きにくくなります。
鉄筋コンクリートの建物内でも、人が多く集まる公的施設や商業施設などでは、通信事業者側が屋内型アンテナなどを設置しているので快適に利用できるようになっています。
参考モバイルWi-Fiの接続が悪い!原因特定方法と試してみたい改善策
WiMAXで屋外と鉄筋コンクリート建物内の違いを検証
鉄筋コンクリートマンションの建物内と屋外とでは、どれくらい違いがあるのかを比較してみました。
測定メモ
- 測定回線:Broad WiMAX
- 測定場所:東京都 板橋区 鉄筋コンクリートマンション
- ルーター:Speed Wi-Fi NEXT W06
- 通信モード:ハイスピードモード 4×4MIMO
- 測定日時:2019/9/24(月)20:10〜20:27
- 天候:晴れ
- 測定アプリ:SPEEDTEST(iPhone7)
屋外での測定結果
屋外での測定結果 | |||
測定場所 | 下り (Mbps) | 上り (Mbps) | Ping (ms) |
マンション 5F 共用部 (西側) | 87.3 | 9.29 | 80 |
マンション5F 玄関前 (西側) | 77.6 | 9.95 | 59 |
夜20時台でこの下り速度は凄い速いですね。
鉄筋コンクリートの建物内
鉄筋コンクリート建物内 | |||
測定場所 | 下り (Mbps) | 上り (Mbps) | Ping (ms) |
玄関(西側) | 39.8 | 11.1 | 51 |
キッチン(西側) | 47.9 | 8.42 | 49 |
バスルーム | 45.7 | 3.70 | 70 |
リビング(西側) | 44.5 | 6.85 | 54 |
ベランダ(東側) | 22.9 | 6.96 | 55 |
窓際(東側) | 30.2 | 2.71 | 57 |
屋外で使用した場合と比べて速度が出ていないのが如実に現れています。
鉄筋コンクリートの建物内で快適に使用するには、なるべく電波を受信しやすい窓側で使用すると良いです。
鉄筋コンクリートに強いモバイルWiFiは?
特に、障害物を回り込む事ができる周波数を選ぶ事が重要です。
電波は周波数によって特性があり、進み方が異なります。
鉄筋コンクリートは電波を通しにくいので、窓などから電波を取り入れる事になりますが、障害物を迂回できるか否かが繋がりやすさを左右します。
【プロが解説】屋内でモバイルWiFiを快適に使うコツを5つご紹介
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障害物に強い周波数はプラチナバンド
WiMAXがメインで使用する2.5GHz帯の高周波数は、電波の直進性が高く反射してしまいます。
そのため鉄筋コンクリートの建物では、壁などの障害物を回り込んで進むプラチナバンドの方が繋がりやすさは上がります。
ただし、高周波数と比べるとプラチナバンドは速度が上がらないというデメリットも存在します。
鉄筋コンクリートの建物内に限った話ではなく、建物や山の陰、入り組んだ場所などで使用する場合には低周波数の方が強いです。
現在はCA(キャリア・アグリゲーション)など複数の周波数を同時に利用する事が多いですが、単体の電波で考えると以下の違いがあります。
周波数による違い | ||
周波数 | 高周波数 (2.5〜28GHzなど) | 低周波数 (700〜900MHz) プラチナバンド |
通信速度 | ◎有利 | ×不利 |
繋がりやすさ | ×不利 | ◎有利 |
WiMAXでは2つの通信モードを使用する事ができますが、auのプラチナバンドを使う「プラスエリアモード」を使えば、繋がりやすさは更に向上します。
まとめ
- 電波は全般的に障害物による遮蔽(しゃへい)の影響を受ける
- その中でも鉄筋コンクリートの壁は電波を通過しにくくする
- 鉄筋コンクリートの建物内でも、電波の強さや建物の構造によって繋がりやすさは異なる
- 鉄筋コンクリートの建物内で使用するには、プラチナバンド(700〜900MHz)が繋がりやすい
- WiMAXではauプラチナバンドの電波を使用する「プラスエリアモード」を使用する方が繋がりやすい