実際に都内の高層ビルで僕が測定してみた結果も公開します!
ビル高層階でもモバイルWiFiは使用可能!
都内4箇所のビル高層階でWiMAXの測定をしてみました。
5回ずつ測定した平均値ですが、地上と変わらない速度が出てるように思います。
詳しくは後ほど高層ビルやタワマンで通信できる理由を解説します。
都内ビル高層階でWiMAXを測定してみた結果
測定メモ
回線:Broad WiMAX
モード:ハイスピード/ハイスピードプラスエリアモード
周波数:2.4GHz
測定日:2019年12月15日(日)
計測時間:11:56〜14:02
天候:晴れ
機種:Speed W-Fi NEXT W06
測定アプリ:SPEEDTEST(iPhone7)
東京都庁第一本庁舎
測定場所データ
- 所在地:東京都新宿区西新宿2-8-1
- 階数:45F 展望室
- 高さ:202m
測定回数 (測定日時) | 下り (Mbps) | 上り (Mbps) | Ping (ms) |
1回目 (2019/12/15 11:56) | 78.4 | 9.90 | 71 |
2回目 (2019/12/15 11:56) | 73.2 | 12.4 | 58 |
3回目 (2019/12/15 11:58) | 17.3 | 8.66 | 95 |
4回目 (2019/12/15 11:58) | 64.4 | 3.83 | 74 |
5回目 (2019/12/15 11:59) | 64.5 | 13.2 | 117 |
平均値 | 59.6 | 9.59 | 83 |
展望室にはピアノが設置されていたり、お土産を買えるショップなどが有ります。
外国人観光客にちょっとした人気のスポットになっているようで、エレベーターには行列ができていました。
WiMAXの電波を使用するハイスピードモードでは残念ながら圏外で使用する事ができませんでした。
auの電波を使用する、ハイスピードプラスエリアモードに切り替えて測定しました。
新宿NSビル
測定場所データ
- 所在地:東京都新宿区西新宿2−4−1
- 階数:29F レストランフロア
高層階の29Fにはレストランや天空渡り廊下も有りなかなかの高さです。
測定回数 (測定日時) | 下り (Mbps) | 上り (Mbps) | Ping (ms) |
1回目 (2019/12/15 12:28) | 58.3 | 5.23 | 96 |
2回目 (2019/12/15 12:28) | 72.2 | 1.66 | 93 |
3回目 (2019/12/15 12:29) | 49.6 | 3.27 | 88 |
4回目 (2019/12/15 12:30) | 44.3 | 1.78 | 96 |
5回目 (2019/12/15 10:30) | 75.8 | 11.0 | 96 |
平均値 | 60.0 | 4.58 | 94 |
キュープラザ池袋
測定場所データ
- 所在地:東京都豊島区東池袋1-30-3
- 階数:12F スカイラウンジ
12Fのスカイラウンジにあるバール パノラマでコーヒーを飲みながら測定しました。
測定回数 (測定日時) | 下り (Mbps) | 上り (Mbps) | Ping (ms) |
1回目 (2019/12/15 13:33) | 41.6 | 13.9 | 64 |
2回目 (2019/12/15 13:34) | 45.4 | 10.5 | 63 |
3回目 (2019/12/15 13:35) | 44.6 | 10.5 | 62 |
4回目 (2019/12/15 13:37) | 66.5 | 10.8 | 100 |
5回目 (2019/12/15 13:37) | 53.3 | 13.1 | 89 |
平均値 | 50.3 | 11.8 | 76 |
サンシャイン60
測定場所データ
- 所在地:東京都豊島区東池袋3−1 サンシャインシティ サンシャイン60ビル
- 階数:SKY CIRCUS サンシャイン60展望台
- 高さ:海抜251m
展望施設だけではなく、VRを使ったアトラクションなども楽しめます。
測定回数 (測定日時) | 下り (Mbps) | 上り (Mbps) | Ping (ms) |
1回目 (2019/12/15 13:58) | 44.3 | 16.8 | 72 |
2回目 (2019/12/15 13:59) | 47.1 | 13.0 | 72 |
3回目 (2019/12/15 14:00) | 46.9 | 16.1 | 67 |
4回目 (2019/12/15 14:01) | 52.9 | 15.7 | 98 |
5回目 (2019/12/15 14:02) | 48.2 | 15.2 | 64 |
平均値 | 47.9 | 15.4 | 75 |
ビル高層階やタワマンで通信できる仕組み
モバイル通信では、使う場所に電波が届くかどうか?が最も重要なポイントです。
高層階へ電波を届けるには、基本的には以下の2つ方法になります。
高層階で通信できる仕組み
- 近くの基地局からアンテナを向けている
- ビル自体に屋内アンテナが設置されている
近傍の基地局からアンテナを向けている
小〜中規模の高層ビルやタワマンは、近くの基地局からの電波を拾って通信します。
アンテナの角度は他の基地局や、他キャリアの電波と干渉しないように緻密に計算し調整されています。
電波には進む方向があるので(指向方向やビーム方向と言います)このアンテナ角度が使用する方向に向いている事が重要になります。
ビル自体に屋内アンテナが設置されている
中〜大規模なビルや商業施設では、ビルの天井裏に屋内型のアンテナが張り巡らされています。
屋内アンテナが設置されている建物の場合、屋外からの電波が届かない高層階や地下、室内の入り組んだ場所でも使用で可能です。
この仕組みをDAS(Distributed Antenna System)といい、無線機設備(MU)中継機(HUB)子機(RU)の構成になっています。
屋内対策されていない高層階は注意が必要
前述の通り、屋内アンテナが設置されていない小〜中規模の高層ビルは、近くのビル屋上に設置されたアンテナを使って通信しています。
居住エリアに向けて基地局のアンテナ角度を調整していますが、周辺の環境によっては、どうしても高層階まで電波を届けられない事があります。
特に高層階になるほど電波は届きにくくなります。
もし使用していて電波状態が良くない場合には、通信事業者側で不感知(圏外)エリアの改善を積極的にしていますので、使用している回線の事業者に申告すると何かしらの対策をしてくれる可能性が高いです。
通信事業者はユーザーからの申告がなければ「問題なく使用できている」というスタンスでいる事が多いです。
逆にユーザーからの申告には機敏に反応し、改善しようと努力するようになります。
基地局のアンテナ角度(チルト角と言います)調整で改善する場合や、UQ WiMAXの場合はフェムトセルという宅内用の小型基地局を自宅に設置してくれる事もあります。
(WiMAXのフェムトセル設置は、UQWiMAXのみ対象で他のWiMAXプロバイダーは対象外です)
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まとめ
最後にこの記事のポイントをまとめてみましょう。
まとめ
- ビルやタワマン高層階でもモバイルWi-Fiは使用可能
- 小〜中規模の高層ビルは、近傍の基地局アンテナ角度が高層階に向いている
- 中〜大規模の高層ビルは、ビル自体に屋内アンテナが設置されている
- 屋内アンテナが設置されていない高層ビルは、周辺の基地局環境により通信品質に影響が出る場合有り