可能な限り長く使いたいけど、モバイルWi-Fiの寿命はどれくらい?
古い機種を長く使い続けるとデメリットはある?
だいたいどの程度の年数使用できるか、買い替え時期の見極め方などの参考にしてみてくださいね。
モバイルWi-Fiの寿命は何年?
①物理的な寿命
2年〜最大10年が目安
モバイルWi-Fiは「リチウムイオン電池」というバッテリーを内臓していますが、まず最初にこのバッテリーが寿命を迎えます。
交換用のバッテリー在庫を確保出来るかどうかを含め、「バッテリー交換を出来るかどうか?」がモバイルWi-Fiの寿命に大きく関わってきます。
バッテリー交換をできる場合は、メンテナンス・修理をしながら最大10年が目安です。
②規格の観点から考える寿命
2〜6年が目安
通信方式やセキュリティ上の規格など技術革新は常に行われています。
あまり古い機種を使用していると、通信品質が悪く感じられたり、暗号化などのセキュリティ面で問題が生じる場合があります。
バッテリーの寿命はおよそ2年
モバイルWi-Fiに搭載されているリチウムイオン電池は500サイクルの使用で寿命を迎えると言われています。
毎日、充電と放電を繰り返した場合、1年5ヶ月程で500サイクルを迎えます。
500サイクルを迎えたら直ぐに使えなくなるという訳ではなく、充電しても電池の消耗が早いといった傾向が徐々に強くなっていきます。
なお、スマホやフィチャーフォンにもリチウムイオン電池が使用されています。
これはモバイルWi-Fiに限らず、リチウムイオン電池を使用しているモバイル端末全般の避けては通れない宿命と言えます。
バッテリー交換はできる機種とできない機種がある
写真はHUAWEI社のUQ WiMAX用ルーターですが、内臓型バッテリーを使用していて本体を自分で開ける事ができない機種も中にはあります。
その場合の電池交換は、一旦修理という形で工場に送付してバッテリー交換をしてもらう事になります。
バッテリーは消耗品のため、不具合がある場合を除き、ほとんど有償での交換となります。
自分で本体を開けられる機種は、交換用のバッテリーをショップなどで入手して、必ず電源を切った状態で交換します。
HUAWEI製WiMAX用ルーターはほとんどバッテリー交換ができません。
WiMAX用ルーターのバッテリー交換可否
自分で電池交換できる機種
【NEC製】
- Speed Wi-Fi NEXT WX06、WX05、WX04、WX03、WX02、WX01
- Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ NAD11
自分で電池交換できない機種
【HUAWEI製】
- Speed Wi-Fi NEXT W06、W05、W04、W03、W02、W01
- Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD15、HWD14
【NEC製】
- Speed Wi-Fi 5G X11
【SAMSUNG】
- Galaxy 5G Mobile Wi-Fi
Y!mobile用ルーターのバッテリー交換可否
自分で電池交換できる機種
【HUAWEI製】
- Pocket WiFi 603HW、506HW、502HW
自分で電池交換できない機種
【HUAWEI製】
- Pocket WiFi 801HW
【uCloudlink製】
- Pocket WiFi 701UC
【ZTE製】
- Pocket WiFi 601ZT
規格の観点からは2〜6年が寿命と考えるべき
通信技術も常に進歩を遂げていて、その技術革新のスピードもどんどん早くなってきています。
規格が上がるごとに通信速度やセキュリティ上の脆弱性なども改善され、より安全で快適な通信ができるようになっています。
買い替え時期を見極めるためには、現在使っているルーターがどの規格を使用しているかを把握しておく事も大切です。
通信技術の規格
Wi-Fiアライアンス呼称 | IEEE規格名 | 最大実行速度 | 策定年 |
Wi-Fi 4 | IEEE802.11n | 600Mbps | 2009年〜 |
Wi-Fi 5 | IEEE802.11ac | 6.9Gbps | 2014年〜 |
Wi-Fi 6 | IEEE802.11ax | 9.6Gbps | 2020年〜 |
暗号化技術の規格
無線LAN通信には情報漏洩を防ぐための暗号化技術が使用されています。
セキュリティ上は、できるだけ新しいものを使用する方が望ましいです。
特にWEPに関しては古すぎて、脆弱性も多く使い続けるにはセキュリティ面で非常に危険です。
Wi-Fiの暗号化技術
- WEP(1997年〜)
- WPA(2002年〜)
- WPA2(2004年〜)
- WPA3(2018年〜)
基地局〜ルーター間も常に技術革新がある
長い年月の間で、通信事業者が提供する通信方式自体も変わる可能性があります。
具体的な例を挙げると、WiMAXを提供しているUQコミュニケーションズが、2020年に旧タイプの通信方式のWiMAXサービスを全て停止し、より通信速度の早いWIMAX2+に完全移行すると発表し、基地局設備の変更を数年かけて進めてきました。
つまり、WiMAXのみの電波で通信をしている古いタイプのモバイルWi-Fiでは利用できなくなってしまうという訳です。
通信事業者が使う周波数帯が変われば、ユーザー側もその周波数帯の電波をキャッチできる端末に買い替えないと、使えなくなってしまうんですね。
周波数再編のような大きな事例は10年〜15年スパンで1度など、そう頻繁にはありませんが、こういったケースの場合は通信事業者が無料で新しい機種に交換してくれる事があります。
また、小中規模の改善事例を挙げると、基地局のアンテナをより高機能なアンテナのM-MIMO(マッシブ・マイモ)に変更したり、よりスループットが向上するCA(キャリア・アグリゲーション)に対応出来るネットワーク構成に変更したりなど、ユーザーメリットを考えた改善が絶え間なく行われています。
基地局側の設備に新技術が導入された場合、我々ユーザーの端末が対応していないとその恩恵を受ける事ができない場合が多々あります。
買い替え時期の見極め方は?
2年以上同じルーターを使用していて、以下の見極めポイントに該当するような場合は、バッテリー交換か機種変更を検討してみると良いでしょう。
ここをチェック!
- 電池の減りが早くなってきた。
- 電池パックが膨張してきた。
- 通信速度が遅く感じるようになってきた。
- 接続する機器の台数が増えた。
- 大容量の通信をする機会が増えてきた。
- 持っているルーターの通信規格が古くなってきた。
今まで1台のPC接続だけしていたのが、家族のPCやスマホなど接続する機器が増えたと言った場合や、VOD(動画配信サービス)に加入したり、大容量の通信を消費するネットゲームを始めた、などのタイミングで一度買い替えを検討してみると良いでしょう。
勝手に再起動する、途中で切れる、繋がりにくいなどはルーター自体の不具合や故障の可能性もあります。
バッテリーの寿命を最大限に伸ばす使い方
リチウムイオン電池の寿命が約500サイクルとなると、この500サイクルをなるべく上手に使って寿命を最大限に伸ばしたいですよね。
充電回数を減らす
限りある充電回数をなるべく有効に使うために、バッテリー残量が限りなく少なくなってから充電をするように意識しましょう。
これに加えて、普段使用する電力の消費を抑える事も必要になります。
ポイント
- 使用しない場合は電源を切る
- 電波が入らない場所では電源を落とす
- 省電力モードがある場合は使用する
電池が無くなった状態で放置しない
電池が無くなった状態で放置する事を「過放電」といい、バッテリーへダメージを与える原因になります。
長期間使用しない場合でも、月1回は充電をするようにしましょう。
高温状態を避ける
ポイント
- 温度の高い場所に置かないようにする
- 高負荷となる連続使用はなるべく避ける
- 充電しながらの使用を避ける
高温状態は、熱に比較的弱いリチウムイオンバッテリーに対してダメージを与える原因になります。
連続使用を続けたり、充電をしながら使用をすると高温状態になりやすくなります。
高温状態は最悪の場合は発火の原因にもなりますので、本体が少し熱くなって来たと感じたら、少し時間を置いてから使用するなどの対策をしましょう。
まとめと結論
物理的な寿命は最大2〜10年、規格上の寿命が2〜6年と考えると・・
モバイルWi-Fiの寿命はバッテリーを交換しながら、最大6年程度の使用が限界と考えるべきでしょう。
買い替え時期の見極め方は、2年以上同じルーターを使用していて「電池の減りが早くなって来た」、「電池パックが膨張してきた」「通信速度が遅くなって来た」、「接続する機器の台数が増えた」、「大容量の通信をする機会が増えて来た」などのタイミングで検討をしてみると良いでしょう。