実家が田舎なので帰省するときに使えないと結構困るんですよね。
田舎に強いモバイルWi-Fiの選び方を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください!
【電波が重要】田舎に強いモバイルWiFiの選び方
田舎に強いモバイルWi-Fiを選ぶ際、最も重要になってくるのが使用する場所に電波が届くか?という点です。
まず電波が届くか?という観点からは、サービスエリアと周波数がポイントになります。
通信事業者各社は、田舎(ルーラルエリア)の基地局には、障害物に強く遠くまで電波が届く、プラチナバンドの周波数を中心にエリア設計を行っています。
都市部ではビルの屋上などから高周波数の電波を使ってエリアカバーをするような設計になっていますが、田舎ではビル自体が少なく、鉄塔を建てて広域をカバーする必要があるため、広範囲に渡って電波が届きやすいプラチナバンドを使用する必要があります。
WiMAXは、データ容量無制限で使えて、通信速度が早くサービス提供エリアも広いため、優先順位としてWiMAXを最初に検討し、ダメな場合は他のキャリアを検討する方が良いでしょう。
また、契約面では、契約容量超過時の通信制限や、繋がりにくかったり速度に不満があった場合の初期解約期間も確認しておくと良いでしょう。
iPhoneのコマンド※を使って、掴んでいる電波の周波数を確認してみると、楽天を除く携帯3社の田舎(ルーラルエリア)では、プラチナバンドを中心に構成されている事が分かります。
参考画像のスクリーンショットは、山梨県南都留郡でUQモバイル(回線はau)の詳細情報を表示したものです。
Band Infoの項目が18となっていますが、これはバンド18(日本では800MHz)のプラチナバンドの電波を掴んでる事を表しています。
※iPhoneでは、電話アプリで*3001#12345#* のコマンドを入力して通話ボタンをタップすると、現在利用している通信キャリアの基地局IDや周波数帯、帯域幅などの情報を確認する事ができます。
ここを確認
- サービス提供エリアを確認する
- プラチナバンドの周波数が使えるか確認する
- 通信速度制限のルールを確認する
- 念のため初期契約解除の方法を確認しておく(注意点あり)
1.申し込み前にサービス提供エリアを確認する
まずは、ご自身の居住エリアがサービス提供エリア内であるかを確認します。
5G・4G・海上で使用できるエリアがマップ上に色付けされています。
使えるエリアを確認
2.プラチナバンドの周波数が使えるか確認する
田舎では鉄塔局を中心に、少数の基地局で広範囲のエリアをカバーするようなエリア構築が中心となっていますが、700MHz・800MHz・900MHz帯のプラチナバンドを中心にエリア構築する設計となっています。
プラチナバンドが利用できる通信会社やルーターを選ぶことが重要です。
普段スマホや携帯などを利用していても、なかなか利用している電波の周波数まで意識している人は少ないと思います。
ですが、田舎で利用する場合は利用する周波数(プラチナバンド)が結構重要になってきますので、使用する周波数を確認しましょう。
通信事業者によって最適化されたエリア設計がされているため、あまり意識する必要はないかもしれませんが、知っているのと知らないのとでは大違いです。
通信会社が使用できる電波の周波数 | ||||||
700MHz | ●利用可 | ●利用可 | ●利用可 | ●利用可 | ー | ー |
800MHz | ●利用可 | ●利用可 | ー | ー | ー | ー |
900MHz | ー | ー | ●利用可 | ー | ー | ー |
1.5GHz | ●利用可 | ●利用可 | ●利用可 | ー | ー | ー |
1.7GHz | ●利用可 | ●利用可 | ●利用可 | ●利用可 | ー | ー |
2GHz | ●利用可 | ●利用可 | ●利用可 | ー | ー | ー |
2.3GHz | ●利用可 | ー | ー | ー | ー | ー |
2.5GHz | ー | ー | ー | ー | ●利用可 | ●利用可 |
3.4GHz | ー | ●利用可 | ●利用可 | ー | ー | ー |
3.5GHz | ●利用可 | ●利用可 | ●利用可 | ー | ー | ー |
3.7/4.5GHz | ●利用可 | ●利用可 | ●利用可 | ●利用可 | ー | ー |
28GHz | ●利用可 | ●利用可 | ●利用可 | ●利用可 | ー | ー |
プラチナバンドって何が凄いの?
プラチナバンドは700MHz〜900MHzの現在使用されているモバイル通信としては、最も低い周波数帯の電波のことを言います。
プラチナバンドの電波は、障害物を迂回して進み、遠くまで電波が届く性質があるため、移動体通信ではとても重要な存在です。
楽天モバイルが、自社でのエリア拡大前にauの800MHzを借用してサービス運用していた事は周知の事実ですが(現在も)、プラチナバンドは広く繋がりやすいサービスを展開するうえで必要不可欠な周波数です。
高周波数
- 波長が短い
- 直進性が高く障害物に弱い
- 距離による減衰は大きい(振動の回数が多いためエネルギーを早く使い切ってしまうため遠くまで届かない)
- 帯域幅(データの通り道)を広く取れるため高速な通信が可能
低周波数(プラチナバンド)
- 波長が長い
- 障害物を迂回しやすいため建物の陰などでも比較的繋がりやすい
- 距離による減衰は少ない(振動の回数が少ないため、エネルギーは比較的長持ちし遠くまで届く)
- 高周波数と比べると帯域幅(データの通り道)は取れないため低速
周波数の小ばなし
例えば、遠方の街の花火大会の「ド〜ン」という低い音や、お祭りの和太鼓の低音、遠くの雷雲のゴロゴロという低い音など、遠くにいるのに音が聞こえる経験をした事はないでしょうか?
音の大きさも関係していますが、このように低い周波数は高い周波数よりも遠くまで届きやすい性質を持っています。
音の周波数特性も電波と基本は同じです。
3.通信速度制限のルールを確認する
光ファイバーのような固定回線の替わりに、モバイルWi-Fiを利用する場合は通信制限の有無を確認しましょう。
基本的にはWiMAXのような、容量無制限のサービスを利用することが望ましいです。
月の利用上限10GBなどの制限のあるプランを申し込んでしまうと、容量を超えてしまった場合に速度規制に引っかかり、ほとんど使い物にならなくなってしまいます。
通信キャリア | 通信制限の内容 |
WiMAX+5G | 一定期間内に大量のデータ通信をすると、ネットワーク混雑時間帯に速度制限がかかる場合有り |
Y!mobile (PocketWiFiプラン2 他) | 3日間で10GBを超えた日(18時〜翌1時)に1Mbpsに制限される |
4.念のため初期契約解除の方法を確認しておく(注意点あり)
実際に契約してみたけど「全然繋がらない!」あるいは「遅すぎて使い物にならない!」という場合でも、契約から8日以内であれば、初期契約解除制度により違約金なしで解約可能です。
初期契約解除制度とは簡単に言うと、クーリングオフと似たような制度で、契約書を受け取ってから8日以内であれば違約金なしで契約解除ができるという、電気通信事業法で定められた制度です。
「サービス提供エリアや、契約内容を十分に確認したうえで契約をしたけど、電波状況が不十分で使い物にならない」というような人を救済するための措置です。
現在は、通信会社の厚意で購入した端末分も返品・返金をしている会社が多いですが、本来は、端末は購入した物なので返金対象外です。
初期契約解除制度の注意点
- 購入した端末は基本的に対象外なので返品できない場合がある
- 契約事務手数料は戻ってこない
総務省ホームページより抜粋
初期契約解除制度とは、通信サービスの契約を結んで、契約書を受け取ってから8日以内であれば、一方的に契約を解約できるということを定めた制度です。
この際、例えば2年以内の解約に違約金が設定されていたとしても、この契約自体がなかったことになるので、違約金の支払いは不要となるなど、契約初期での解約のハードルは非常に低くなっています。
ただし、携帯電話端末の購入はキャンセルできない場合が多いなどの注意点があります。
初期契約解除の方法は通信事業者によって異なります。
基本的には8日以内に解約のアクションが必要という事を覚えておき、事前に確認しておくようにしましょう。
《初期解約申請の方法》
電話で?メールで?書面で?
《端末の返品可否と返却期限》
端末(ルーター)は返品可能?
8日以内に連絡していればOK?書面が届いてないとダメ?
全く使えないものを長期契約するのは、お金をドブに捨てるのと同じ事ですからね。
8日間の無料お試し期間という意味ではありませんので十分ご注意ください。
田舎でWiMAXが強い理由は?
WiMAXのような無線ブロードバンド通信は、光回線が引けない地域の救世主です。
光ファイバーを提供できない地域への代替の手法としてBWA(Broadband Wireless Access)の導入が、自治体や地域BWA事業者などにより促進されています。
田舎などで(特に山奥など)では、光回線を引くために、通信事業者側で電柱を何本も建柱したり、光ファイバーを何kmも張ったりするのに、とてつもない時間と費用がかかる場合があります。
このような物理的な理由や費用対効果により、光回線のサービス提供を断念せざるを得ないケースがあります。
光回線のような有線ではなく、無線で伝送すれば物理的な障壁が少ないため、今までブロードバンド環境を利用できなかった地域でも導入がしやすくなります。
BWAサービスの周波数割り当て状況を確認すると、現在は以下の通りとなっています。
※全国BWA(Wireless City Planning)はY!mobileの事です。
無線でのブロードバンド環境には、帯域幅を多く取れる高周波数帯の電波が必要なため、まずWiMAXが候補に挙がり地域BWAとして最初に利用される事になりました。
その後、追従する形でY!mobileのAXGP方式や、良く耳にするLTEが採用されていきました。
最初にWiMAXが選出されたという事は、技術的な観点からも認められた田舎に強い通信方式であるという事が言えます。
田舎におすすめのモバイルWi-Fi・ホームルーター
まず、最初に検討すべきなのがWiMAX+5Gです。
現行のWiMAX+5Gプランでは、WiMAXの2.5GHz帯の周波数の他に、au 4G・5Gの電波も併用するネットワーク構成に変更になっているため、使えるエリアが格段に広くなっています。(プラチナバンドはオプションの通信モードで利用可能)
さらに、WiMAX+5Gではデータ容量は基本的に無制限で利用でき、5G回線も利用できるため、現行のモバイルWi-Fi市場では、様々な面で最も優位性が高い回線です。
Broad WiMAX(ブロードワイマックス)
20社以上あるWiMAXプロバイダーの中で、料金も安くサービスが最も充実しているのがBroad WiMAXです。
端末は最短即日発送で、大至急ネットを開通させたい人にもおすすめです。
契約期間の縛りなし、36ヶ月の利用で端末台が実質無料になるキャンペーン中です。
月額料金 | 4,708円(税込) 初月無料 |
最大通信速度 | 下り最大:4.2Gbps 上り最大:286Mbps (端末により異なる) |
同時接続機器数 | 16台(端末により異なる) |
速度制限 | 一定期間内に大量のデータ通信をした場合は、ネットワーク混雑時間帯に速度制限がかかる場合有り |
とくとくBB WiMAX
Broad WiMAXが安価な月額料金が魅力であったのに対し、とくとくBBのWiMAXは高額キャッシュバックが魅力のWiMAXプロバイダーです。
大手ISPのGMOインターネットが運営する安心感もあり、加入者も多いです。
端末は最短即日発送で早ければ翌日から利用可能です。
月額料金 | 1,375円〜4,807円(税込) |
最大通信速度 | 下り最大:4.2Gbps 上り最大:286Mbps (端末により異なる) |
セキュリティ | WEP(128bit)、WPA2-PSK(AES)、WPA/WPA2-PSK(TKIP/AES) (端末により異なる) |
速度制限 | 一定期間内に大量のデータ通信をした場合は、ネットワーク混雑時間帯に速度制限がかかる場合有り |
Mugen WiFi
Mugen WiFiは、複数携帯キャリアの回線を自動選択で使用します。(ソフトバンク回線をメインで使用)
端末は4Gに対応したプランと5G対応の高速プランがあり、複数キャリアの電波を使える点でおすすめです。
30日間返金保証キャンペーン中のため、気になる方はお試しでご利用されてみてはいかがでしょうか?
月額料金 | 3,190円〜4,750円(税込) |
データ容量 | 節約プラン・高速通信プラン:100GB/月 無制限プラン:一定期間内に大量のデータ通信をすると、ネットワーク混雑時間帯に速度制限がかかる場合有り |
通信速度 | 下り最大:3.9Gbps 上り最大:183Mbps (端末により異なる) |
速度制限 | 節約プラン・高速通信プランは、100GB超過後、当月内は128kbpsの速度に制限 |
端末 | レンタル |
Y!mobile
Y!mobileのポケットWiFiは、WiMAXと比べるとエリアや通信速度の面でやや見劣りしますが、Y!mobile独自電波に加えて、親ブランドSoftBankの電波も一部使用する事ができます。
またY!mobileの2.5GHz帯もWiMAXと同様に地域BWAとして利用されています。
WiMAXがサービス提供エリア外の場合は、候補に入れてみてください。
月額料金 | 4,066円〜4,818円(税込) |
最大通信速度 | 下り最大:2.4Gbps 上り最大:838Mbps (端末により異なる) |
同時接続機器数 | 30台 (端末により異なる) |
速度制限 | 3日間で10GBを超えた日(18時〜翌1時)に1Mbpsに制限 |
ドコモ home 5G ホームルーター
docomoの5G・4G回線を使用する据え置き型のホームルーターです。
データ容量は無制限で、日本で最も基地局数が多いドコモの回線を使用するため、光回線の代替手段として選ばれる事も多いです。
自宅のみでの使用をお考えの方は検討候補に入れておきたい商品です。
月額料金 | 4,950円(税込) |
最大通信速度 | 下り最大: 4.2Gbps 上り最大:218Mbps |
同時接続機器数 | 65台 |
速度制限 | 直近3日間のデータ利用量が特に多いユーザーは、一般ユーザーと比べて遅くなる場合有り |
発送 | 数日程度 |
まとめ:田舎に強いモバイルWi-Fiの選び方
繰り返しになりますが、WiMAXは地域BWAに初期から採用されている通信方式で、エリアも広く帯域幅も多く取れる高周波数の通信のため、WiMAXをまず一番はじめに検討してみると良いでしょう。
そして、田舎に強いモバイルWi-Fiを選ぶ際、最も重要になってくるのが「使用する場所に電波が届くか」です。
まとめ
- サービス提供エリアを確認する
- プラチナバンドの周波数が使えるか確認する
- 通信速度制限のルールを確認する
- 念のため初期契約解除の方法を確認しておく(注意点あり)
こちらも繋がりやすさの面では有利なので、ぜひ検討してみてください。
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